スズキ ジムニー ランドベンチャー 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
生粋のオフロードSUV
小型車に乗っていたユーザーが、友人に「スズキのワゴンRへ代替えした」と言えば、「今の軽自動車は良くなったから、確かにワゴンRで十分だよね」という話になるだろう。
しかしそれがスズキ『ジムニー』ならどうか。「今の軽自動車は…」とは続かないと思う。ジムニーは軽自動車だが、それ以前に生粋のオフロードSUVであるからだ。
ジムニーの初代モデルは、軽自動車の排気量が360ccだった1970年に登場している。この時からパートタイム式の4WD、駆動力を高める副変速機を備え、16インチの大径タイヤも装着して悪路の走破力を高めていた。「360ccエンジンの軽自動車が、階段を平気で登る」という事実に驚いたものだ。
あれからすでに半世紀近くが経過するが、ジムニーの位置付けは変わっていない。フルモデルチェンジも2回しか受けておらず、現行型は軽自動車の新規格が導入された1998年に登場した。なので17年を経たが、今でも古さを感じない。ワゴンRや「アルト」とは次元の違うクルマなわけだ。
夏の特別仕様車といえばランドベンチャー
もちろん商品力を保つには地道な改良が必要で、ジムニーも細かな変更を受けてきた。2002年にはインタークーラーの大型化などによって動力性能を高め、2004年には4WDと2WDの切り替えをレバー式からスイッチ式に改めた。2008年にもエンジンに手を加えるなど、改善を加えている。
この間には紆余曲折もあり、2000年にジムニーL、2001年にジムニーJ2として2WDを設定した。後者は可愛らしいメッシュ状グリルを装着して車高も下げたが、販売は低迷している。そればかりかジムニーファンが猛反発して、早々に生産を終えた。
特別仕様車にも積極的で、春から夏にはランドベンチャー、冬季にはワイルドウインドと、季節商品のように発売している(最近はワイルドウインドが少しお休みしているが)。
そこで今回は、2014年8月に設定されたランドベンチャーを試乗した。
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