スズキ アルトラパン 試乗レポート(3/4)

ソファー感覚のシートは乗り心地◎

ラパンの人気の秘密はデザインだと前述したが「私はカワイイッ！ だけでは選ばないも～ん」という人も、思わず納得させられてしまう実力を持っているのもまた特筆すべきところなのだ。

まずＡピラーが立てられたデザインに、スッキリしたダッシュボード。きちんとドライビングポジションを取ると、ボンネットラインが見えて見切りがイイ。さらにガラスがなるべく水平になるようデザインされているので、車庫入れのときなんか曲がっちゃったな・・・ということが少ないと、まず視界的要素はかなり高得点。

エントリーユーザーが持つ運転への不安を、拭い去ってくれているのである。残念ながらデザインとの兼ね合いでワイパーの位置が下がらなかったが、これさえ下がれば満点に近いスタイリングだ。

そして走り出してもこれまたスゴイのである。運動性能の高さでお墨付きの4代目ワゴンＲのポテンシャルを引き継いだ上、ワゴンＲより車両重量は軽いし全高も低いから、単純に考えて運動性能が悪いワケがない。そしてこれが実際イイのである。スタビライザーが入っていないワゴンRのXと同じ仕様なのだが、ボディのカタマリ感があるせいか、ハンドリングは十分リニア感をもたらしてくれるし、ソファ感覚のシートクッションもたっぷりしているから、乗り心地もいい。空間的にも広くも狭くもない、ちょうどいいパーソナル感を満喫させてくれる感じだ。

また骨格はセルボのシートを使っているという後席の乗り心地もバッチリで、お友達とロングドライブに出かけても満足してくれること間違いナシ。オマケに軽さと空力のよさで、燃費的にも現在スズキ車No.1の実力保持車なのだ。遠出するのもNAで十分といった手ごたえ感があるウサギちゃんなのだ。