スズキ エリオセダン 試乗レポート
- 筆者: 西沢 ひろみ
- カメラマン:小宮岩男
クラス最大のトランクスペースを備えて、1.5L小型セダンの隙間を狙う。
今年1月に誕生したエリオは、ミニバンの居住性とステーションワゴンの使い勝手、セダンの経済性と走行性能を融合させた新時代の乗用車だ。このエリオをベースにリヤに独立したトランクを持つセダンが、10ヶ月遅れで追加となった。
スポーティ路線のエリオに対して、セダンは丸味を帯びたずんぐりむっくりのスタイル。愛嬌のある顔立ちとともに、異色セダンのテイストを放っている。最大のウリは、クラストップレベルのトランク容量だ。見るからにだだっ広い荷物スペースは、2WDで492L、4WDで447Lを確保している。さらに後席の背もたれを倒すだけだが、大開口部を持つトランクスルーも用意。ライバル車に優るとも劣らない実用性の高さを見せつける。後席の足元も、充分自慢に値するスペースだ。
エンジンは「優-低排出ガス」認定を取得した、M15A型の1.5LDOHC16バルブVVTを搭載。スペック的には最高出力81kw、最大トルク 143N・mだが、想像以上に元気の良い加速感を味わせてくれる。乗り心地重視の足回りも、意外にキビキビ感が演出されている。気になるのは、パワステの操舵力が重めの設定になっていることだ。
エリオの国内販売は予想以上に伸び悩んでいる。おそらくセダンも小型車の隙間を狙うスズキ車とはいえ、カローラを始めとする強力なライバル車に対抗するのは難しいと思われる。主要マーケットの欧州市場に期待したいクルマだ。
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