ドイツ車のような乗り味がさらに高まった!スバル WRX S4(アプライドB型)試乗レポート(2/3)
- 筆者: マリオ 高野
- カメラマン:和田清志
245タイヤ装着によるハイグリップ化に合わせて、バネとダンパー(ビルシュタイン)を専用セッティングとしたところ、限界横Gや高G領域での横向き加速度ゲインの計測数値がWRX STIとほぼ同じレベルに向上。それでいて、WRX STIよりもファミリーカー用途を意識した乗り心地の良さは従来と変わらず維持させたのですが、これが結果的としてドンピシャな味付けになっているのです!
245タイヤによって単純に四輪の接地面積が増えたことと、低偏平化によりバネ下の剛性感が高まったことはタイヤが転がりだした瞬間から感じられ、街乗りの段階から全体的に足回りがガシッと引き締まった感触が伝わります。高速道路のインター付近にあるループ状のカーブなどでは、横方向への踏ん張りが相当上がっていることを実感。
まさに、WRX STIさながらの豪快なグリップ感ですが、WRX STI特有の路面を掻きむしるような激しさと、重戦車的な重々しさは感じられません。これはAWDのシステムが異なるからで、ナチュラルな回頭性を重視するVTD-AWDを搭載するWRX S4では、LSDの拘束力が強いDCCDを装備するWRX STIよりも、軽快で清涼感のある旋回フィールが得られるのです。
STIコンプリートカーを除く現行型のスバル車の中でベストバランス
WRX STIのDCCD独自の抵抗感もまた、他では得がたいWRX STIならではの味わいであり、競技で0.01秒を削るための武器っぽさが感じられて個人的には大好きです。しかし、家庭円満仕様のWRXであるS4には必要ありません。245タイヤ仕様の乗り味は、WRXっぽいというより、ドイツのFRセダン的なスッキリ系の硬質ハイグリップといえるでしょうか。高速域での目地段差などからの入力の処理の絶妙さも相まって、ドイツ車っぽさがさらに強まったと感じました。
しかし、その一方でVTD-AWDがもたらすFR的四駆特有の鼻先の向きの変わりやすさ、スッキリ感のあるステアリングフィールなどには「昔ながらのスバルのターボのAT車っぽい!」とも思えてニンマリ。スバル未経験の新規ユーザーをさらに増やしつつ、守旧派スバルユーザーも垂涎の甘美な乗り味となっています。
総じて、WRX S4の245タイヤ仕様のサスペンションは、現行型のスバル車の中でベストバランス(STIコンプリートカーは除く)であると感激しました。245タイヤ仕様はステアリング系統も専用品に変わるので、追加オプションというより、追加グレードといったほうが良いかも知れません。
WRX S4 GT-Sの従来型オーナーさんはかなり気になるところでしょうが、今回のB型は、標準のGT-Sのサスペンションは従来型と変わらず。つまり、変える必要がなかったということであり、標準のGT-Sのビル足でも十二分にハイレベルな性能と乗り味を備えているので、ガッカリすることはないと断言できます。
ちなみに、WRX STIのほうもサスペンションセッティングは不変。もはや少数派となった油圧パワステによる手応えがズッシリとしたステアリングフィールをはじめ、第一印象ではハード過ぎると感じさせる硬派なセッティングは、古典的といわれることがあります。
それでも、運転好きのドライバーならすぐに身体が順応し、しのごの言わずに戦うクルマWRXの世界に没頭できるところは、WRX STIならではの魅力。世界の舞台で戦う戦闘マシン直系の市販車は希有な存在です。
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