スバル レガシィB4 試乗レポート

普通のミドルセダンと完全に一線を画したスポーツ性の高いモデル

1989年にレガシィがデビューした当初からセダンとワゴンのボディが設定されていた。特にセダンは当時のスバルがWRCラリーに参戦していたモデルであり、スポーツイメージの高さが大きな特徴となっていた。

2代目モデルが登場する時点ではセダンとワゴンが同時だったが、マイナーチェンジではセダンが少し遅れて登場し、3代目レガシィでは半年遅れで登場したセダンにB4というサブネームが付けられた。

フルタイム4WDのロードスポーツをコンセプトに作られたセダンで、この時代にはレガシィによるWRCラリーへの参戦は終わっていたが、普通のミドルセダンとは完全に一線を画したスポーツ性の高いモデルだった。

トヨタのアルテッツァなどがライバル車とされていたが、アルテッツァに比べるとフルタイム4WDでターボ車というふたつの魅力を持つにもかかわらず、価格はさして変わらないという割安感も大きな魅力とされていた。

精悍で引き締まった印象を強めたエクステリアデザイン

セダンボディのB4もマイナーチェンジでデザインに手が加えられた。フロントグリルは六角形の新しいデザインとされてレガシィシリーズ全体が統一され、ボンネットフードからバンパーに至るまで、滑らかなラインで構成されるデザインが採用されている。従来のモデルに比べると精悍で引き締まった印象を強めたのが特徴だ。

リヤコンビランプもB4用のものは天地の寸法を少し小さくして下部にメッキモールを配置することで、全体にワイド感を表現したデザインに変更した。

インテリア変更点は基本的に共通で、ダッシュボードの中央部分にメタル調のパネルを配置して広がり感や安心感を表現したのが大きな変更点。SI- DRIVEの搭載車はセンターコンソールの部分にコントローラーが設けられるともに、インパネ内のマルチインフォメーションディスプレーにもにもSI- DRIVEの機能が表示されるようになった。燃費向上につながるECOゲージの採用も見逃せない。

レガシィの中でもスポーツ性が高いB4

新型レガシィではSI-DRIVEが一番の注目技術だが、ボディ剛性の強化やシャシーの性能アップなど、見えない部分の性能アップも図られた。特にセダンボディのB4では一段と高められたボディ剛性が、乗り心地や操縦安定性、さらには静粛性などにも好影響を与えている。実際にレガシィを走らせても、走りの質感が高まったことが感じられる。

搭載エンジンは水平対向の4気筒と6気筒。4気筒は2Lで自然吸気のSOHC、DOHC、DOHCターボの3機種。6気筒は3Lの自然吸気DOHCで、ターボと3Lに最新のエンジン制御技術を取り入れたSI-DRIVEが搭載されている。

SI-DRIVEによる走りの楽しさはほかのモデルでも共通だが、レガシィの中でもスポーツ性が高いのがセダンのB4なので、18インチタイヤを履くなどの特徴を持つ2.0GTスペックBを6速MTのチョイスも含めて選びたい。

低速域から太いトルクが立ち上がり、力強く吹き上がっていくフィールはB4のターボ車ならではのもの。足回りはかなり硬めで路面の荒れたところではゴツゴツ感もあるが、操縦安定性の高さはピカイチだ。

レガシィらしいスポーティさが最も良く表れているスペックB

マイナーチェンジで大きく熟成を進めたレガシィは、セダンのB4ではやはりスポーツ性を重視した選び方をしたい。2.0GTスペックBがイチ推しのグレードだ。レガシィらしいスポーティさが最も良く表れているのがスペックBである。

10万円ほどの価格差で買える3.0Rも、完全バランスの水平対向6気筒エンジンを搭載するだけに、なかなか魅力的なモデルだが、スポーツ性の高さで言うとやはりスペックBのほうが上。ワインディングなどを積極的に走りたいユーザーにはスペックBで、高速クルージングを楽しみたいユーザーには3.0Rと考えたら良いのかも知れない。

自然吸気エンジンを搭載した2.0iもリーズナブルな価格で買えるB4としての魅力がある。雪国のユーザーなどが生活4WDとして選ぶのも良いだろう。2LのDOHCエンジンを搭載した2.0Rもこのクラスの自然吸気エンジンとしては強力なエンジンを搭載する。