【ahead femme×オートックワン】-ahead 12月号- 「カッチャン」で簡単・安心
- 筆者: 竹岡 圭
「1分32秒」vs「15秒」
「1分32秒」。
この数字は、シートベルトで固定するチャイルドシートの取り付けに掛かった時間です。これは取り付けに慣れている、チャイルドシートメーカーの社員がトライした数字なので、新米ママが取り付けたら、もっともっと時間が掛かるハズ。
そして、なんとか装着してはみたものの「ホントにちゃんと着いてるのかなぁ」と不安に駆られている人が、実は相当数いらっしゃるのではないでしょうか。
ISOFIXチャイルドシートって何?
対する「15秒」。
こちらは、ISOFIXチャイルドシートの取り付けに掛かった時間。
「カッチャン」と音がするから、誰が着けても確実に着いたという手応えがあるのがいいところ。しかも「カッチャン」とはめ込むだけだから、誰が着けても取り付け時間がほぼ変わらないのも長所です。
でも「ISOFIX」って一体何なの?
確かに突然聞いたら、意味が分からないですよね。
ISO(国際標準化機構)のFIX(取り付け)方式という意味なのですが、要はただでさえチャイルドシートの装着率が56・8%と低いのに、せっかく着けていても63・5%の人がミスユースをしているという現実を踏まえ、せめてミスユースをなくそうと開発された、取り付け方式のこと。
クルマ側に備え付けられたチャイルドシート固定用金具に、チャイルドシート側から伸びた取り付け爪を「カッチャン」とはめ込むだけで、誰もが確実に簡単に素早く取り付けられる。まずミスユースが起こらないというのが、最大の特長です。
だったら、なぜ普及してないの?
次はそんな疑問が湧きますよね。実はこれまでISOFIXチャイルドシートは、スペシフィックビークル(特定車両)用として、クルマとセットで認定されるものだったから。
クルマを乗り換えたら、きちんと使用できないとか、クルマ側に固定用金具がないとか、ちょっと選びにくい側面があったんです。
でも2012年7月1日、つまり来年の7月からは大丈夫。
ISOFIXチャイルドシートが取り付けられる装備を有していないクルマ(9人乗り以下の乗用車)は、製造販売できないことになりました。もちろん、それに先行してどのクルマにも取り付けられる、汎用型・準汎用型ISOFIXチャイルドシートも販売されています。現在はタカタだけですが、この後、他のチャイルドシートメーカーが追従してくるのは間違いナシ。
チャイルドシートは大人用のシートベルトが使えるようになる(身長140~145㎝)まで、子供の安全を守るために絶対必要な専用の安全装備。本当に子供のことを思うなら…まずはチャイルドシートをもう一度見直すことから始めませんか。
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