2011年3月 販売ランキング/松下宏(1/2)
- 筆者: 松下 宏
大震災の影響で大幅マイナス
3月の新車登録台数(軽自動車を除く)は「279,389台」にとどまった。これは前年の台数に対して37%の大幅なマイナスで、3月11日に発生した東日本大震災の影響が端的に表れた。
東北地区を中心にクルマの販売どころではない状態に陥っただけでなく、組立工場や部品工場などが被害を受け、クルマの生産が止まってしまったのだから止むを得ないだろう。
そして、軽自動車の3月登録台数も「158,210台」と、前年に対し31.6%のマイナス。
登録車に比べるとマイナス幅はやや小さかったものの、それでも30%を超える大幅なマイナスとなり、東日本大震災の影響が如何に大きかったのかが如実に分かる結果となった。
リーマンショックによる落ち込みから回復させるためのエコカー減税やエコカー補助金があり、昨年の2010年には補助金が切れて大きな落ち込みを見せていた。今年に入り、何とか回復しそうになっていたが、そんな中での大震災である。
4月7日時点では、まだ自動車メーカーの生産が本格的には回復しておらず、また計画停電の影響なども読みきれないため、クルマの生産が本格的に回復するのにどの程度の時間がかかるか分からない状況となっている。
1位~5位:フィットが最逆転で首位
1位:ホンダ フィット(22,284)/2位:トヨタ プリウス(19,702)
3位:スズキ ワゴンR(17,290)/4位:ダイハツ ムーヴ(16,777)
5位:トヨタ ヴィッツ(13,915)
3位は「スズキ ワゴンR」で、今年に入り2ヶ月連続で「ダイハツ ムーヴ」に負けていたが、3月は軽自動車として首位の座を確保した。その「ダイハツ ムーヴ」は4位に付けている。
スズキとダイハツの関係は、それぞれのブランドの軽自動車だけに限ればダイハツが首位だが、OEM供給車も含めるとスズキのほうがまだ多くの軽自動車を作っている。またダイハツがほとんど販売していない登録車を、スズキやスイフトとソリオで一定の台数を稼いでいるので、トータルするとほぼ互角といった関係にある。
昨年暮れにフルモデルチェンジを受けた「トヨタ ヴィッツ」は、5位に下がった。2月には3位にまで浮上し新型車効果を見せていたのだが、3月には伸び悩む形となった。
6位~10位:新型セレナが好調な売れ行き
6位:ダイハツ タント(13,528)/7位:日産 セレナ(9,575)
8位:スズキ アルト(8,652)/9位:ホンダ フリード(8,608)
10位:ホンダ ライフ(8,332)
6位の「ダイハツ タント」は、ムーヴが新型になった後なのでそれを上回るほどの売れ行きではないが、コンスタントに1万台を超える販売台数を稼いでいる。
昨年暮れにフルモデルチェンジを受けた「日産 セレナ」は、2月に続いて3月も1万台近い台数を販売して7位に入った。ステップワゴンを上回っただけでなく、2月に続きヴォクシーとノアを合わせた台数をも上回っており、名実ともにミニバントップだ。
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