近いのに全然知らない「韓国」クルマ事情 vol.2/清水草一(1/2)
- 筆者: 清水 草一
- カメラマン:清水草一
韓国の高速道路に群がるレッカー車の意味とは
韓国は日本以上の首都一極集中国家。ソウルには全人口の約4分の1が集中しています。しかも、首都が地理的に国土の北に片寄っている。
朝鮮戦争の教訓からも、北朝鮮国境に近い所は人気がないし、住宅地は南へ、南へと拡大しています。女子フィギュアスケート・金メダルのキムヨナ選手の故郷の軍浦市も、高層マンションが林立するソウル南側のベッドタウンだったりします。
自然、南からソウルに向かう高速道路は、特に激しい渋滞になるんです。そろそろソウルが近いな・・・と思う頃、高速道路の路肩に次々と出現するモノ。
それはレッカー車です。なぜかビックリするほど多くのレッカー車が、路肩に止まってるんです。この光景は、16年前、私が自分のフェラーリで韓国を訪問した時からそうでした。
その頃の韓国は交通マナーが最悪で、高速の渋滞内では無意味な割り込み合戦が繰り広げられ、そのせいでみんな車間をギチギチに詰めていました。
それが原因でそこらじゅうで追突事故が発生。渋滞内では、それこそ路面のそこかしこに割れたランプが散乱しているという、戦場のような状況でした。そんな中に自分のフェラーリで突入した私が、どれくらい死ぬ思いをしたか想像してください・・・(涙)。
が、路肩には多数のレッカー車が待機しているため、事故車は迅速にレッカーされています。
私は感心して韓国の自動車雑誌編集者に尋ねました。
「あれは、韓国のJAFのような組織ですか?」
答えは意外なものでした。
「いいえ。すべて民間のレッカー業者です。ああやって路肩に止まって、事故が起きるのを待っているんです。起きると飛んでいって、結構高いレッカー代を吹っかけます」
「ええーーーーーーーっ!」
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