【国産派vs外車派】ホンダ N-BOXとフィアット パンダをくらべてみた|外車のススメ Vol.17(1/2)

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あえて選ぶ外車のススメ。この企画では「国産車、じゃなくて輸入車」をテーマに、様々なカテゴリーの車種を比較検討します。第17回のテーマは、小型車対決。軽自動車界の巨人「ホンダ N-BOX」と、イタリア生まれの小粋な小型車「フィアット パンダ」をご紹介します。

>>初代が懐かしい! フィアット パンダの歴史を画像でチェック

目次[開く][閉じる]
  1. 限られたスペースにあらゆる要素を詰め込んだ、箱庭のような「ホンダ N-BOX」
  2. これがイタリアの最小サイズです「フィアット パンダ」
  3. 日本の軽とパンダでは勝負にならないかもしれないけれど……
  4. パンダを買うと、「自由」という “最高の装備” がついてくる

限られたスペースにあらゆる要素を詰め込んだ、箱庭のような「ホンダ N-BOX」

今や、日本車の新車販売台数の1/3以上を占める軽自動車。2019年の軽自動車販売台数は、約190万台にも達しています。中でも売れ筋のひとつが、2011年に初代が登場した「ホンダ N-BOX」です。

軽スーパーハイトワゴン市場に投入されてから、あっという間にベストセラーに。2017年にフルモデルチェンジをして2代目になり盤石の体制を築き、軽四輪車の新車販売台数で、2015年以降5年連続1位という記録を打ち立てました。

日本最小の軽規格いっぱいに空間を拡大するマジック! ホンダのセンタータンクレイアウト

初代N-BOXのポイントは、軽自動車という決められた外寸の中で、いかに広く使い勝手が良いかを研究し尽くしたパッケージング。

ホンダお得意の「センタータンクレイアウト」によって低くて広いフロアを実現、エンジンルームもコンパクトに抑えたことで、軽自動車とは思えないほどの広さを誇りました。初代を大きくブラッシュアップした2代目では、プラットフォームを刷新。さらに室内空間が広くなり、内外装の質感や走りも大きく向上しました。

クルマ選びに迷うならまず推奨しておきたいクルマ

先進の安全装備も充実し、現行モデルでは「Honda SENSING」を全車標準装備しています。

小さなサイズなのに広大なスペースを有し、快適装備・安全装備を満載したN-BOXは、細かな要素を規定の枠内に見事に埋め込むことを得意とする、「日本の箱庭文化」を思わせるクルマだと思います。

とにかくクルマ選びに迷ったら「老若男女問わず間違いない1台」として広く推奨できちゃうほど全方位で死角のないクルマと言え、だからこそ実際に連続No.1を獲得し続けているのでしょう。

これがイタリアの最小サイズです「フィアット パンダ」

日本には排気量上限660cc、全長3400mm・全幅1480mm以内という独自の軽自動車規格がありますが、世界的なクラス分けでは、最も小さいクルマはフォルクスワーゲン UP!、スマート フォーフォー、ルノー トゥインゴなどの「Aセグメント」に分類されます。

小型車の本場・欧州では各自動車メーカーがAセグメントの車種を擁しており、欧州随一の大メーカー・イタリアのフィアットも「500」(チンクエチェント)や「パンダ」をラインナップしています。

日本でも人気がある500 ですが、500はどちらかというとスペシャリティーカー的な存在で、フィアットのボトムライン車種を本来担うのは、実用性が高い「パンダ」です。

フィアット/パンダ
フィアット パンダカタログを見る
新車価格:
289万円316万円
中古価格:
25万円378万円

簡素なのに「さすがイタリア!」と思わせるセンスにあふれている

現行型のパンダは2011年から販売中の3代目。平面的なデザインが特徴で、3ドアのみだった初代パンダと異なり、ミニSUVのような雰囲気の5ドアハッチバックに生まれ変わった「2代目パンダ」のコンセプトを引き継いでいます。

フィアット パンダには、必要最小限の気筒数で十分なパワーを発生する「ツインエア」2気筒エンジンが積まれています。

ツインエアエンジンは、いにしえのフィアット500に積まれていた2気筒エンジンのように、ポロロロロ……とのどかに牧歌的に回ります。丸と四角を融合したような「スクワークル」と呼ばれる内外装デザインも特徴です。

カドを取った四角形は、ヘッドライト、リアクォーターウインドウ、リアフォグ・バックランプから空調のスイッチ類、メーター形状など、車内外のあちこちに配されており、よく見るとクルマ全体のフォルムも、スクワークルでまとめられていることに気がつきます。

小型車でもファッショナブル! さすがデザインの国・イタリアが生んだクルマです。

日本の軽とパンダでは勝負にならないかもしれないけれど……

初代パンダの販売開始から、今年で40周年を迎えました。初代と2代目・3代目ではカタチが大きく異なりますが、共通しているのは、余計な要素がなく、使い心地がいい雑貨のようなクルマ、ということです。

もちろん、最新のパンダも現代のクルマですので、快適装備はすべて備わっています。でも、N-BOXをはじめとした国産の軽自動車に比べて、さらに豊富な装備、シートアレンジ、広大な室内空間、そして上級車なみの内装を、パンダは備えていません。

2020年5月現在で発売中の現行型フィアット パンダは「Easy」が224万円です。

軽自動車の価格帯が高くなったとはいえ、N-BOXシリーズの売れ筋ゾーンの価格は150〜160万円ほど、最高値は「N-BOカスタム」の「G EX ターボ Honda SENSING 4WD」の212万円ですので、パンダよりもN-BOXがずっとお買い得なのは、間違いありません。

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

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