2019-2020最新チャイルドシート5選|新・安全基準R129(i-Size)対応機種を一挙ご紹介

子供のいのちを守るものだからこそ最新の安全基準を知ろう

チャイルドシートは数ある育児用品の中でも、その使用が法律で義務付けられている数少ない用品です。チャイルドシートには国交省が定めた安全基準があり(Eマーク、ECE R44)、基準に満たない製品は出荷が禁じられています。

現在、新品で販売されているチャイルドシートはすべてこの基準を満たしているはずですが、通販サイトなどで扱われているシートの中には、安全性が未確認のものや、同じISO FIX(イソフィックス)と名がつくシートでもアメリカ基準のもの、アメリカ車以外には装着できないタイプものがありますので注意してください。

なお、おすすめはしませんがユーザーが古い安全基準のシートを使う事は法的には問題ありません。ですが、大切なお子さんの命を守る重要なアイテムですので、ぜひ最新の安全基準を満たした商品をオススメします。

ここでは、最新の安全基準i-Size(R129)についての解説と、i-Sizeに対応した最新のチャイルドシートをご紹介したいと思います。

R129とはISO-FIX対応「乳児用シート」の新しい安全基準

i-SizeやR129という言葉を初めて聞いたという方も少なくないといます。R129(i-Size)とはISO-FIX乳児用チャイルドシートに関わる欧州最新の安全基準です。すでに欧州では数年前から採用が始まっており、日本ブランドではアップリカがいち早く導入、コンビも2019年5月からR129対応のベビーシートを販売開始しました。

また、メーカー純正のチャイルドシートではホンダがいち早くR129対応の製品をオプション設定しています。

では、R129に適合したチャイルドシートは、これまでの基準と何が違うのでしょうか? 簡潔に説明しておきます。

体重に加えて新たに「身長」基準を追加

これまでは体重を目安として、子どもの体格に合わせたシートを選んでいましたが、i-Sizeでは「身長」が加わることになりました。チャイルドシートを紹介するスペックの部分に、適合身長「身長40~83cm」などのように書いてあれば、それはi-Sizeに適合したチャイルドシートであることを意味します。

見た目の目安としては、赤ちゃんの頭が背もたれの上端からはみ出していなければ使用が可能です。

少なくとも生後15か月までは後ろ向きで使用

安全性の観点から、首の弱い乳児用チャイルドシートは進行方向に対して後ろ向きに使用し、万が一の衝撃を分散させます。「1歳過ぎたら前向き」と間違った認識を持って、まだ前向きにするには早い体格なのに前向きにして赤ちゃんを危険に晒しているケースがよくあります。チャイルドシートはできるだけ後ろ向きで使用する方が安全です。

R129では乳児用シートの使用を生後15カ月まで後ろ向きで使うように義務づけています。体重では13kgまでが後ろ向きです。

このほか、側面衝突対策の強化などがありますが、ユーザーが選ぶ上ではあまり関係がないのでここでは割愛します。

R129対応のシートにはどんなものがある?

1.Honda 純正 i-Size チャイルドシート「Honda Baby & Kids i-Size」(UN-R129 適合)

メーカー希望小売価格(税込) 118,800円(消費税 8%抜き 110,000円)

まずはメーカー純正のシートからご紹介します。値段がかなり高額なのが気になりますが、純正品だけあって最強の安全性を確保。ちなみに中身は欧州向けのタカタ製品と推測されます。

最新の安全基準「R129」をクリアしたことに加え、シート上部の側面形状や新開発のヘッドクッションを採用し、従来の前突・後突に加えて側面からの衝突からにも配慮した仕様となっています。

2.コンビ R129プロガード

2019年5月に発売されたばかりの乳児・幼児兼用チャイルドシートの新製品です。R129に適合する高い安全性に加え、コンビならではの使いやすさ、快適装備が盛りだくさん。

超・衝撃吸収素材エッグショックを搭載し「3層のサイドプロテクション」「エアプロテクター」「やわらかシートクッション」で、もしもの衝撃から産まれたての頭もカラダもしっかり守ります。なお、細かいことではありますが、差し込みタングがマグネットでくっつくことや自立したバックルなどは、日々の使い勝手で非常に便利な装備です。

3.ブリタックス レーマー ベビーセーフ i-Size

メルセデス・ベンツやボルボ、VWなど、欧州自動車メーカーの純正チャイルドシートに採用され、その安全性と使いやすさは世界トップクラスを誇ります。後ろ向き専用で身長83cmまで使用できるので、日本の赤ちゃんでは1歳8-9か月頃まで使用可能です。

身体の小さいときにはよりフラットに、成長につれて背もたれが立つ形状となります。ISO-FIX固定とシートベルト固定の両方に対応しています。

4.マキシコシ ぺブルプラス

マキシコシのぺブルプラスは、世界で初めて欧州最新安全基準R129に準拠したチャイルドシートです。頭と首部分の安全性をより強化するため、衝撃吸収素材を採用して側面衝突対応をさらに強化しているほか、インナークッション「ハグインレイ」を新たに内蔵しています。

さらに、マキシコシは安全性に加え、使いやすさも高評価のメーカーとして知られています。赤ちゃんを乗せる際に邪魔になる肩ベルトと股バックルが自動で立ち上がる先進装備が好評でストレスなく赤ちゃんを乗せることができます。カラバリはなんと23種類。車のボディカラーや内装に合わせて幅広く選択できます。

5.アップリカ クルリラプラス

日本製の汎用チャイルドシートとして、初めてR129をクリアした『クルリラR129』の後継機種がこちらです。2018年に発売された最新モデルで、乳児(後ろ向き)・幼児兼用(前向き)シートとなります。

国産ブランド最高峰の安全性を備えたシートですが、ゆったりした内角130度のシートやアップリカ独自のフットステップなど、アップリカらしく赤ちゃんの快適性やママの使い勝手にも配慮。無理のない姿勢で赤ちゃんを守ります。

なお、こちらで紹介したシートはすべてISO-FIX対応シートとなるため車両側(後部座席の背もたれと座面の間。座ると腰が当たる部分)のISO FIX金具にガチャっとはめ込んで装着します(中にはベルト装着が可能なものやISO FIX用ベースを使うものもあります)。

クルマ側の「ISO-FIX」規格用固定金具は、2012年7月以降に新車販売された全車に装備されていますが、ファミリーカーを中心に2009年頃から販売されている国産車には装着されているようです。

[筆者:加藤 久美子]

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加藤 久美子
筆者加藤 久美子

山口県下関市生まれ 自動車生活ジャーナリスト 大学時代は神奈川トヨタのディーラーで納車引き取りのバイトに明け暮れ、卒業後は日刊自動車新聞社に入社。出版局にて自動車年鑑、輸入車ガイドブック、整備戦略などの編集に携わる。95年よりフリー。2000年に第一子出産後、チャイルドシート指導員資格を取得し、チャイルドシートに関わる正しい情報を発信し続けている。 得意なテーマはオリジナリティのある自動車生活系全般で海外(とくにアメリカと中国)ネタも取材経験豊富。愛車は22年間&26万km超の916アルファスパイダー。記事一覧を見る

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