世界のBOSEも自動運転に参入!音響メーカーが革新技術を量産化へ(2/2)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:桃田健史
実車体験は、これまた違う感想
そして、最後のデモとして、屋外に用意された中型バスに乗った。
乗車前、ボーズ関係者から「これは自動運転を念頭に置いた技術です」と耳打ちされた。
室内には飛行機のファーストクラスのようなシートが4つ。窓はなく、担当のアメリカ人の声がヘッドフォンを通じて聞こえてくる。手元にはタブレットPCがあり、ヘッドフォンからの指示によって、画面操作を行った。
中型バスは、会場敷地内に設けられた、うねりのある路面を、最新「ボース・ライド」機能が有り無しの状態で、それぞれ1回走行する。その揺れの差を「見える化」するために、タブレットPCで、いま乗っている大型バスの輪郭を描くのだ。さらに、その下にある英文を書く。
走行後、ふたつの走行状態での絵を見比べてみると、揺れがどの程度緩和されたかが一目瞭然。屋内でのデモと比べて、床が動く違和感は少なく、これなら普通に乗っていることができると感じた。
数社の自動車メーカーが採用にかなり真剣
かなりお金のかかったデモだが、とても分かりやすく、こうして記事化する際にも読者に伝わりやすいと思った。
「自動運転の時代になると、車内での過ごし方が大きく変わる。乗車員に直接伝わる振動を減らす、こうした技術は量産化の可能性が高い」とボーズは説明する。実際、数社の自動車メーカーが「ボーズ・ライド」の採用にかなり真剣なようだ。
この他、ボーズでは車内の音響システムを使った自動運転への対応として「ボーズ・アウェア」がある。これは、後方からの接近車をドライバーに警告するブランド・スポット・ワーニングなどの警告音を、接近車がいる方向のスピーカーから鳴らすもの。カーナビでの指示でも、左折、右折でスピーカーからの発生する音の位置を変えるなど、聴覚情報をドライバーが直感的に理解できる仮想空間を作り出す技術だ。
自動運転時代の本格到来を迎え、ボーズの革新的な技術開発がさらに進化しそうだ。
[Text:桃田健史]
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