シェルビーアジア コブラAPモデル 試乗レポート/岡本幸一郎(3/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
乗りやすい新車のコブラが680万円で買える!
パワステはあえて付けられておらず、かわりにギア比の最適化を図ったとのことだが、車体が軽量である上、重量物であるエンジンはフロントミッドに搭載されており、前軸荷重が過大すぎることもないので、パワステがなくても大丈夫だ。おかげでカーブでも走りにくいことはなく、見てのとおり重心も低いのでコーナリングも安定している。
前後ダブルウィッシュボーン式のサスペンションは、やや固めの味付けながら乗り心地は悪くない。むろん今のクルマのような快適性があるわけではないが、全体的に思ったよりもずっと乗りやすいクルマという印象だった。
また、雨が降ったときに備えて、ソフトトップ、サイドカーテン、トノカバーなども標準装備される。これらも金額にするとバカにならないものなので、最初から付いているというのはありがたい。
さらに、仕上がりのよいハードトップも65万円のオプションで用意されている。リプロダクションコブラというのは、新車は1000万円級が当たり前で、中古車も500万円以上が普通だ。
むろん中古車はコンディションに不安があるものが少なくない。そんな中に生まれたAPモデルは、これまで高額で当たり前だったコブラの新車が680万円という価格で手に入り、しかも乗りやすく、さらにはこうしたクルマとしては珍しく保証まで付いているなんて、実に画期的なことである。
コブラに興味はあっても、なかなか踏み出せないでいたファンにとって、あるいは、こんなコブラがあるなら乗ってみたいというビギナーにとっても、非常に朗報といえるだろう。
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