新型308 PHEVはプジョー随一の走りと快適性を両立! 存在感バツグンの個性的なフランス車が490万円6000円で手に入る

  • 筆者: 竹花 寿実
  • カメラマン:ステランティス
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2022年4月13日に日本上陸を果たしたプジョー 新型308。

日本仕様は5ドアハッチバックとステーションワゴンのSWに、それぞれ1.2リッター直3ガソリンターボと1.5リッター直4ディーゼルターボ、1.6リッター直4ガソリンターボに電気モーターを組み合わせたPHEVの3種類のパワートレインが用意されます。

今回はジャーナリストの竹花寿実さんがハッチバックのPHEV仕様を、フランス・ベルサイユ近郊で試乗することができました。実際の走りの質感をレポートします。

目次[開く][閉じる]
  1. 新型308はダイレクト感と快適性が向上! PHEVモデルの進化具合を他グレードと比較検証
  2. 新型308はプラットフォームが刷新され、安全性や燃費性能なども高まった
  3. 新型308に用意される3つのパワートレインの中でPHEVは最も完成度が高い

新型308はダイレクト感と快適性が向上! PHEVモデルの進化具合を他グレードと比較検証

今回試乗する新型308 PHEVは、左ハンドルのヨーロッパ仕様ではありますが、ハイブリッドパワートレインは合計出力が225PSで日本導入モデルと同じ。現地では「HYBRID 225 e-EAT8」と呼ばれるモデルのGTパック仕様で、日本仕様の「GTハイブリッド」と装備内容的にも同等の車両です。

ヨーロッパ仕様のPHEVモデルには、システム最高出力が180PSの「HYBRID 180 e-EAT8」も用意されていますが、日本市場にはより高出力なモデルが導入されました。

筆者はじつは、2021年9月にフランス・カンヌで行われた新型308の国際試乗会に参加し、そこで一通りのバリエーションに試乗しています。そして今年4月には箱根でハッチバックのガソリン&ディーゼルモデルに試乗しました。

箱根で日本仕様に乗ったとき、はっきりと感じたのは、半年前にカンヌでドライブしたときよりも「車体全体がピシッとした」という感覚でした。

まるでクルマ全体のネジというネジを増し締めしたかのように、加減速やハンドリングのダイレクト感や快適性がワンランクレベルアップしていると感じたのです。

果たしてPHEVにも進化が感じられるのでしょうか。その結論は後回しにして、まずは新型308のPHEVがどのようななクルマなのかをまずは説明していきましょう。

新型308はプラットフォームが刷新され、安全性や燃費性能なども高まった

9年ぶりに生まれ変わった新型308は、従来モデルに採用されていた「EMP2(エフィシエント・モジュラー・プラットフォーム2)」と呼ばれる、旧PSA系のC/Dセグメント用プラットフォームの進化版である「EMP2 V3(バージョン3)」を採用しています。

基本設計は継承しているものの、コンポーネントは実に50%が新設計というから、相当な改良が加えられていると言えるでしょう。具体的には空力性能の向上や軽量化、最新世代のADASへの対応、静粛性向上、燃費改善など、多岐にわたる改良が施されました。

新型308 ハッチバックのボディサイズである全長4420mm、全幅1850mm、全高1475mmというサイズ感は、全長が4275mmだった先代からひと回り大型化。ホイールベースも2680mmと、先代から60mmも伸びています。サイズ拡大により、室内空間の拡大や快適性アップに加え、デザイン面にも大きく寄与しました。

また新型308はプジョー 508から採用されている、ライオンの牙や3本の爪あとをモチーフにした、立体的でダイナミックな最新のプジョーデザインを纏っていますが、これはCセグメントとしてはかなりワイドな1850mmの全幅があるからこそカッコよくまとまっているのは明白。個性あふれるクルマが行き交うフランスの路上で見ても、新型308の存在感は抜群です。

新型308に用意される3つのパワートレインの中でPHEVは最も完成度が高い

さて、肝心のPHEV仕様の走りを見ていきましょう。これは昨年乗ったときにも感じたことなのですが、やはり3種類のパワートレインのなかでは最も完成度が高いと言えます。

駆動方式はガソリン/ディーゼルと同じく前輪駆動ですが、PHEVは車両後部に12.4kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載したことで、重量増にはなっているものの、前後重量配分が改善しています。このことが走りの質感をグッと高めているのです。

そのため新型308 PHEVでは発進時は110PSと320Nmを発揮する電気モーターが、スムースで力強く車体を前へ引っ張っていきます。エレクトリックモードでは、最高135km/h、最大64kmのEV走行が可能なので、一般道を流す程度なら、非常に静粛性の高い快適なドライブが楽しめます。

ハイブリッドモードに入れても、基本的に電気モーターが優先されるので、バッテリー残量がある間はほぼEV。アクセルペダルを深く踏み込んだ場合には、最高出力181PS/6000rpm、最大トルク250Nm/1750rpmの1.6リッター直4ターボが瞬時に始動して、加速をアシストします。

スポーツモードを選択すると、基本的に1.6リッター直4ターボは回っている状態となり、電気モーターとともに力強い加速を披露します。エグゾーストノートもなかなかスポーティです。

8速ATの変速制御もとてもスムーズで、1.2リッター直3ガソリンターボ車より300kg以上も車両重量が増しているとは思えないほど、とても伸びやかな加速が味わえるのです。

特筆すべきは新型308のハンドリングです。新型308のPHEVは、前述の通り前後重量配分が優れていて、しかも低重心であるため、クルマの挙動にフロントヘビーな印象が全くと言っていいほどなく、とても俊敏で正確なコーナリングを披露します。

ステアリングフィールも雑味がなくスッキリとしていて、ドライビングフィールはほとんどプレミアムカー。ピッチングやロールも少ないので、乗り心地も上質で、まさに「ネコ足」です。またそのレベルも昨年9月に試乗したときからさらに引き上げられ、洗練度が一層増していました。

新型308のPHEVは、クラスに関係なく、プジョー車でおそらく現時点で最も走りと快適性を高いレベルで両立させたモデルです。

まだPHEVのGTEに試乗できていないので、確実なことは言えないものの、これまでCセグメントの基準として長く君臨してきたフォルクスワーゲン ゴルフを、多くの面で超えてきたことは間違いないでしょう。このクルマが490万6000円というのは、とてもお買い得と言えます。

【筆者:竹花 寿実】

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筆者竹花 寿実
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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