ルノー ルーテシア 特別仕様車「LUTECIA CLAIRE(ルーテシア クレール)」 試乗レポート/渡辺陽一郎(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
「パリ」の街並みを想い出させてくれるクルマ
外観を眺めるとかなりオシャレ。フェンダーは滑らかに張り出し、ドアパネルの下側は微妙にクビれていて、コンパクトでも存在感がある。フォルクスワーゲン ポロなどは、いかにも「実用車です」という感じだが、ルーテシアには「美しく魅せたい」というメッセージを感じる。
このあたりはグローバル化の中でも失われないフランス車らしさだろう。実用的なコンパクトカーの外観にも、一種の芸術性が込められている。
外観を見ていて思い出したのはパリの街並みで、古いアパートから新しいオフィスビルにまで、デザインへのこだわりを感じた。薬局に入ると店員がキレイなハミングを歌っていて、カフェに入れば弦楽四重奏でビバルディの生演奏。道端ではソプラノサックス/ベース/ハイハットだけで、上手なフュージョンを聴かせていた。
もちろん日本にも伝統ある芸術は多いが、日常生活の中での距離感が違うと思った。
こういった背景も、ルーテシアのデザインに微妙に影響を与えているのだろう。
後席空間の広さと高いデザイン性は相反する!?
その代わり、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)が2600mmに達する割に、後席の足元はあまり広くない。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先空間は握りコブシ1つ少々だ。
ちなみにルーテシアのプラットフォームは、基本部分を日産の「Bプラットフォーム」と共通化している。しかしシートの配置はかなり違う。「Bプラットフォーム」の日産ノートは、全長が4100mm、ホイールベースが2600mmだからルーテシアとほぼ同サイズだが、後席の膝先空間は前述の測り方で握りコブシ2つ半に達する。ルーテシアは前席、ノートは4名乗車時の居住性を重視して開発された。
[1.2リッターで動力性能はどうなの!・・・次ページへ続く]
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