ポルシェ 911カレラ4&カレラ4S カブリオレ 海外試乗レポート(2/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ポルシェ・ジャパン
後輪駆動モデルでも安定感の欠如を感じさせられる事は皆無
カレラ4/4Sクーペをベースとしたカブリオレ・ボディ採用のニューモデル――今回遥々ドイツまで出掛けた“ネタ"である911カレラ4/4Sカブリオレの概要を簡潔に表現せよと言われれば、まさに「これ以上でもこれ以下でも無い」というのがその回答になるだろう。
何しろ、クーペ版の4WDモデルの国際試乗会がモナコで開催されたのは、まだほんの1ヶ月前の出来事。それゆえに、ハードウェア上の特徴のみからカブリオレ・モデルを解説しなければならないとなったら、正直なところそれはそれでちょっとばかり荷の重い作業になってしまいそうではある。
けれども、そんな書き手(?)サイドの事情を知ってか知らずか、嬉しい事にポルシェの本社広報チームは“クーペ版"の時とはまた全く毛色の異なるテストドライブのお膳立てをしてくれていた。前回の舞台のモナコ周辺に対し、今回のイベントはケルンの近郊が基点。入り組んだ海岸沿いからいきなり急傾斜で山が連なるモナコの地では、ワインディング路はたっぷりと試せたものの思えば高速セクションでのチェックが今ひとつ十二分とは言えなかったもの。
一方で今回は、イベント基点のホテルから5分も走ればそのまま空いた速度無制限のアウトバーンに乗れるという、高速性能のチェックには絶好のロケーションが用意されていたのである。というわけで、リアのフェンダー周りがよりボリューム感を増した“4WD専用ワイドボディ"を備えるカブリオレ・モデルに乗って、早速アウトバーンの追い越し車線へと躍り出る。アクセルペダルを踏む右足に僅かだけ強めの力を加えれば、そこではもうあっさりとオーバー200km/hの世界だ。
そもそものベースである「RWDのクーペ」に比べれば、さすがに140kgほどは重くはなってしまったカレラ4/4Sカブリオレ。が、だからといって現実に味わう事の出来るその痛快な加速力には何のかげりも認められない。もちろん、数字でみれば加速タイムは僅かながらも低下する理屈にはなっているが、それでも3・6Lユニットで325ps、『S』用の3・8Lユニットでは355psというエンジンの最高出力は、1・5トン台と見た目よりはずっと軽量な重量を逞しく加速させるのに十二分なものである事に変わりはないのだ。
カレラ4カブリオレでも加速はダイナミックそのもの。だが、さらに強力な加速力をより迫力のサウンドを奏でつつ発揮するカレラ4Sカブリオレの加速を知ってしまうと、「やっぱりコチラで決まりだな」という人が多数現れても不思議はないと思えてしまう。ちなみにこちらの場合、空いたアウトバーン上では「ちょっと頑張れば250km/h」というのが実力。最新911のスピード性能は、もはやそれほどのレベルに達しているという事だ。
100km/h、130km/h、そしてせいぜい150km/h・・・・・と、日本でも現実に踏み入れる可能性の大きいこの程度までのスピードであれば、率直なところその走りの印象は後輪駆動モデルからさほど大きく変わったとは思えない。
こうしたスピード領域までであれば、後輪駆動モデルでも安定感の欠如を感じさせられる事は皆無なのが最新の911というモデルなのだ。「RRレイアウト車の走りには独特のクセがある」などというコメントは、この程度の走りのテンポでは全く実感を伴わないと言うしかない。そこには長年の“911づくり"のノウハウが、たっぷりと詰まっているに違いない。
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