ポルシェ 911カレラ4&カレラ4S カブリオレ 海外試乗レポート(1/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ポルシェ・ジャパン
『カブリオレ』と『4WD』という2つの記号
水冷化をされた911が初めてのフルモデルチェンジを受け、“997型”として姿を現してから早くもちょうど一年の時が経過をした。
911の歴史上で初めて、2種類の排気量の心臓を同時にリリースした997型がその後着々と拡充をさせてきたバリエーション展開に関しては、その都度このサイト上でもお知らせをしてきた通り。新しいカレラ/カレラSクーペが世界で圧倒的な高評価を確固たるものとするのを待ちわびていたかのように、そのオープン・バージョンであるカレラ/カレラSカブリオレが登場。さらにそこから数ヶ月のインターバルをおいて、今度はリアのフェンダー周りをより逞しく拡大させた専用のボディを纏う4WDシャシー採用のカレラ4/カレラ4Sクーペがシリーズに加えられている。
こうなれば、誰もが容易に想像を出来るのが、「今や911にとってはどちらも必要不可欠」とされるカブリオレのボディと4WDのシャシーとを組み合わせた仕様という事になるだろう。そして、そんな大方の予想の通り、“ヨンクのクーペ”からまだわずかに1ヶ月ほどというこのタイミングでお伝えするのは、カレラ4/4Sカブリオレという題材である。
911というクルマにとって、4WDシャシー採用の理由は何もトラクション能力を向上させるためだけにあらず・・・というのは、このカブリオレ・モデルのベースとなったクーペ・ボディの4WDモデルが登場をした時点でも軽く触れた事柄だ。確かに、エンジン・トルクが2輪だけではなく4輪へと分散をされれば、一般にはそのクルマ全体のトラクション性能はグンとアップをする理屈ではある。
が、こと911というクルマに限って言えばそこに伝統的に採用されるRRというレイアウトが、そのデザイン上すでに基本的にすこぶる強力なトラクション能力を発生させてしまう。2輪(後輪)駆動であってもそれが舗装路ならば、オーバー300ps級のパワーを楽々と吸収出来る程度のトラクション能力はそもそも備えているのである。
クルマの“パーツ”としては最も重いエンジンをリアのオーバーハング上に置く事で、その荷重は後輪をどっしりと地面に押さえつける。その結果に達成されるそんな強力なトラクション能力というのが、RRというレイアウトが基本的に備えている最大のアドバンテージと言っても良いかも知れない。
しかしそれでも敢えて、ポルシェでは911に4WD仕様を設定している。1988年にまだ空冷時代の964型モデルに初代カレラ4がリリースされて以降、4WDのシャシーという存在はもはや“911ヒストリー”の一部になっていると言っても良いくらいだ。
このメーカーはなぜかくも4WDに執心をするのか? 「それはRRレイアウトが元来備える美点というものをさらに引き出すため」と彼らは答える。今のポルシェには欠かせない『カブリオレ』と『4WD』 という2つの記号を贅沢にも同時に備える今回のモデルでそのあたりの真の理由も検証するべく、ぼくは国際試乗会の開催されるドイツはケルンへと赴く事になった。
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