プジョー RCZ 試乗レポート(2/2)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:オートックワン編集部
パワフルな6MTと気軽に楽しめる6AT
さて、RCZには、エンジンとハンドル位置の違いによって、2種類のモデルが存在している。
右ハンドルの6速ATには156馬力版が、左ハンドルの6速MTには200馬力エンジンが組み合わされる。どちらも、1.6リッター4気筒ガソリン直噴にターボチャージャーが装着された最新型だ。
2台のカタチは同一だが、走りっぷりはまるで違う。
スタイリッシュなクーペスタイルから、窮屈な室内を想像してしまうかもしれないが、そんなことはない。適度にタイトなだけだ。驚かされるのはトランクスペースで、使いやすいに違いない、真四角の空間がポッカリと開いている。
リアシートの背もたれを倒すとさらに拡大し、大きなスーツケースをふたつ積み込んでも、まだ余裕がある。どんなにカッコよくキメ込んでも、こういった日常の使い勝手を決して疎かにしないのは、フランス車の昔からの美点で、RCZもその例に漏れない。
ただトランクが広いということだけではなく、タイヤやサスペンションの出っ張りを一切なくして使いやすくしているところに開発者の力量と意識の高さを見た。外見がスタイリッシュなクルマというのは、残念なことに、その分、車内に凸凹のシワ寄せが来るものなのだ。
スタイルと実用性。
RCZには、いい意味でのジキルとハイド的な二面性がある。派手な格好して毎晩遊び歩いているような美人(美男)が、家に帰ると実は家庭的で、身の回りの掃除、洗濯はキチンとこなし、料理のレパートリーなんかも和洋中で広かったりする。
男でも女でも、誰もホロッとされちゃうような人(クルマ)。RCZは、見掛けによらないクルマだ。
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