プジョー 308 海外試乗レポート(3/3)
- 筆者: 日下部 保雄
- カメラマン:プジョー・ジャポン株式会社
BMW の良点とフランス車の走りの美点が絶妙に融合
プジョーの直近の環境対応に対してエンジン側からは、ガソリンの場合ではエンジンの効率を上げることで、小排気量でも十分な日常性能の硬さを持ち、かつ燃費に優れたエンジンにすること。さらにパワーが欲しい時には過給によってより大きな排気量と同等な効果が得られるというものだ。この考え方はBMWと共通するが、実は308に搭載されているエンジンはBMWとの共同開発だ。
1.6LのVTi(可変バルブリフト&タイミング)自然吸気エンジンと1.6LのTHP(ターボ・ハイプレッシャー)がある。いずれも07年に日本に導入されている207に搭載されているエンジンと同じものだが、207の場合はTHPはGTIにのみ搭載されているが308は通常グレードにも設定される点が異なる。
組み合わされるトランスミッションは今回の試乗では5速マニュアルトランスミッションのみだったが、日本導入時にはルノー/プジョー/シトロエンが使っているAL4型、4速ATとの組み合せになる。
THPの150PSガソリンエンジンは体感的には2L以上の排気量感があり、トルクフルで気持ちがいい。しかも通常のドライビングでは、いわゆるドッカンターボではなく、低速トルクもあってレスポンスもよく、自然な加速感でターボを意識することはほとんどない。回転リミッターは6500回転で効き、100km/h/5速では2500回転なので高速燃費は期待できそうだ(日本仕様では4AT)。エンジンの回転フィールはさすがにBMWとの共同開発らしく、硬質な回転フィールはなかなか素晴らしい。
MTは5速だが(2Lのディーゼルターボだけは6速)ヨーロッパはまだマニュアルが主流で、その操作感は軽くて節度があり、気持ちよくシフトできる。最近MTを再認識している身としては羨ましい。4ATのインテリジェントタイプ。207を試乗してもわかるように毎回使いやすくなっているが、さすがに4速は競争力は乏しく、まだギクシャク感は残っていた。308ではさらに滑らかさが期待される。
一方の自然吸気の1.6L・VTiは120PS/160Nmを発生しているが、出力的には抜きん出た数字ではないが、ターボ同様、気持ちの良い回転フィールで数字以上の性能を感じる。重量的には307よりも70㎏重くなっているが、それを意識しないほどだ。シャシー剛性は307よりもかなり剛性が上がり、車体のブルブル感はほとんど感じなくなった。しっかりした走りはこのシャシー剛性から作り上げられている。BMWのような硬さはないが、フランス車と特有の良い意味での緩さが好ましい。
電動油圧パワーステアリングはステアフィールも良好で、軽いだけではなく滑らかで操舵力も自然だ。コーナーは軽快なフットワークで、ステアリングの切りかえしでもシャキと反応して、フロントの外側に荷重を掛けながら期待通りのラインとレース性を見せる。ドイツ車とは明らかに異なって、ロールは大きめだがステアリング操作に忠実に反応するのがプジョーの、フランス車の美点だ。
ストロークを大きく取っているので、サスペンションが微小に動いた時のショックの吸収に優れ、乗り心地は伝統的にソフト。308では307ほどはロールさせていないので、より一般的になったとはいえ、その伝統は受け継がれている。さらに向上したのが静粛性だ。
307はちょっとうるさかったが、308では大幅に向上して車内の会話明瞭度が大きく向上した。特にロードノイズが減少したのが印象的だった。
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