日産 エクストレイル グレード比較! 新登場NISMOの実力は? 目的別おすすめと後悔しない選び方

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:日産自動車/島村 栄二/SUBARU
画像ギャラリーはこちら

マイナーチェンジで内外装の質感を向上させ、さらに魅力的になった日産 エクストレイル。

価格帯が上がったことに加え、個性的な新グレードが登場したことで、「どのグレードを選べばいいか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。

特に、待望のスポーツモデル「エクストレイル NISMO」は大きな注目を集めていますが、標準グレードや他のモデルと何が違うのか、価格に見合う価値はあるのか気になりますよね。

この記事では、そんな「エクストレイルのグレード」選びで後悔しないために、注目のNISMOから買い得な標準グレードまで、それぞれの特徴と最適な選び方をカーライフ ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが徹底解説します。

目次[開く][閉じる]
  1. マイナーチェンジで進化したエクストレイルの注目ポイント
  2. 注目の「NISMO」を中心に3つの新グレードを徹底解説
  3. 結局どれを選ぶべき? 目的別エクストレイルのおすすめグレード
  4. まとめ:高価格帯ながらも魅力的な選択肢が増えた個性派SUV

マイナーチェンジで進化したエクストレイルの注目ポイント

本題の新グレード解説に入る前に、今回のマイナーチェンジについて簡単にご紹介します。この変更点が、新グレードの魅力にも繋がっています。

専門家から上質な走りを高く評価されている日産 エクストレイルですが、e-POWER専用という戦略が価格帯を押し上げ、販売面ではライバルに先行を許している状況がありました。

今回のマイナーチェンジでは、そうした声に応え、価格設定への納得感を高めるべく、内外装の質感向上や、先進装備の充実が図られています。

まず外観は、水平基調を強めた新デザインのフロントグリルや刷新されたアルミホイールによって、より洗練された印象を高めました。

内装もインパネ上部をブラックで統一し、上級グレードに設定されるナッパレザーシートは落ち着いたブラウンへ変更するなど、上質感を追求しています。また、利便性を高めるため、USBポートはすべて現在主流のタイプCに更新されました。

そして、今回の変更で最大の注目点は、日産車として初めて「Google搭載インフォテイメントシステム」が採用されたことです。

これにより、使い慣れた「Google マップ」をカーナビとして利用できるほか、音声アシスタントによる様々な操作も可能になり、ドライブの快適性が大幅に向上しました。

これらの変更点の詳細については、以下の記事で詳しく解説します。

注目の「NISMO」を中心に3つの新グレードを徹底解説

今回のマイナーチェンジで特に注目したいのが、新たに追加された個性豊かな3つのモデルとアクセサリーパッケージです。多くのユーザーの関心を集めるであろう「NISMO」を中心に、それぞれの特徴を詳しく解説します。

NISMO

日産のモータースポーツ活動を担うNISMO(ニスモ)が、独自にチューニングを施した「NISMO」(541万6400円)は、エクストレイルの新たな魅力を引き出すスポーツモデルです。

外観には専用のエアロパーツが装着され、空力特性を向上。これにより全長は標準車の4690mmから4705mmへと拡大しています。

足元には、20インチの大径アルミホイールと、高性能なミシュラン製「PILOT SPORT EV」タイヤを装着。SUVでありながら、まるでスポーツカーのような、ただならぬ雰囲気を漂わせます。

内装も専用のファブリックと合成皮革のコンビシートや、レッドセンターマーク付きのステアリングなどが装備され、スポーティーな雰囲気を高めています。オプションでRECARO(レカロ)製のスポーツシートも選択可能です。

パワーユニットのスペック(発電用エンジン:144馬力 、フロントモーター:204馬力)は標準グレードと共通ですが、アクセル操作に対する反応を制御するVCM(ビークルコントロールモジュール)に専用チューニングが施されています。

ドライブモードを「SPORT」に設定するとその反応は驚くほど機敏になり、標準グレードが3Lのガソリンエンジンだとすれば、「NISMO」のスポーツモードは3.5Lクラスに匹敵する力強い加速感を味わえます。

駆動方式は、前後にモーターを搭載する4WD(4輪駆動)の「e-4ORCE(イーフォース)」のみ。

この「e-4ORCE」もNISMO専用に制御が変更されており、「SPORT」モード時には後輪への駆動力配分を高めます。専用サスペンションと相まって、全高が1720mmあるSUVにもかかわらず、カーブで車体が外側に膨らみにくく、ハンドル操作に対して素直に曲がる感覚は格別です。

ただし、乗り心地はやや硬めのため、購入前には試乗して確認することをおすすめします。

オーテックスポーツスペック

家族など大切な人を乗せる機会が多いからこそ、乗り心地は上質にしたい。しかし、スポーティーな走りも諦めたくない。そんな欲張りな願いを叶えてくれるのが、「AUTECH SPORT SPEC(オーテックスポーツスペック)」(590万1500円)です。

日産のカスタムカーを手がけるブランド「AUTECH」が開発したこのモデルは、VCMやパワーステアリング、サスペンションに専用チューニングが施される点では「NISMO」と共通です。しかし、乗り味の方向性は大きく異なります。

最大の特長は、車体の微振動を吸収し、乗り心地と操縦安定性を向上させる「パフォーマンスダンパー」が装着されている点です。

タイヤサイズは「NISMO」と同じ20インチですが、銘柄には快適性に配慮したミシュラン製「PRIMACY 4」を採用。これにより、スポーティな走行性能と重厚で上質な乗り心地を高い次元で両立しています。

こうした走りの上質化に加え、内外装の仕立てもNISMOとは大きく異なり、約50万円高となる価格差に反映されています。

内装に目を向けると、NISMOがファブリックと合成皮革のコンビシートであるのに対し、オーテックスポーツスペックにはキルティング加工が施された上質なブラックレザーシートや、ダークウッド調のフィニッシャー(装飾プレート)が標準装備されます。

外装もメタル調のプロテクターを装着するなど、よりプレミアムな装いとなっており、上質な内外装も重視するユーザーにとっては、価格に見合う価値を感じられる一台と言えるでしょう。

ロッククリーク

「ROCK CREEK(ロッククリーク)」(475万6400円~)は、エクストレイルが持つ本来の魅力を再認識させてくれるモデルです。

2000年に登場したエクストレイルの初代モデルは、都会的な雰囲気と悪路走破性を両立した「タフギア」として人気を博しました。その原点回帰ともいえるのが、この「ロッククリーク」です。

フロントグリルやバンパーに専用デザインが施され、耐久性の高さを感じさせるタフな印象を強調。

内装も、赤く熱を帯びたような色の「ラヴァレッド」のステッチがアクセントとして施された防水シートを採用するなど、アウトドアシーンに映える仕様となっています。

パワーユニットや足回りの設定は標準グレードと共通です。ベースとなっているのは「X e-4ORCE」(434万9400円)で、3列シートの7人乗りも選択可能。専用装備を効果的に絞り込むことで、標準仕様との価格差は約40万円に抑え、500万円を切る価格設定を実現している点も魅力です。

アクセサリー:SOTOASOBIパッケージ

さらに、タフギアとしての世界観をより一層高めるアクセサリーパッケージとして「SOTOASOBIパッケージ」も追加されました。

これは、艶消し黒のフードプロテクションシールドやタフな印象のフェンダーガーニッシュ、専用エンブレムをセットにしたもので、標準車はもちろん、「ロッククリーク」に装着することで、より本格的なオフロードスタイルを完成させることができるでしょう。

釣りやキャンプといったレジャーでクルマを遊びつくすための“相棒”として、まさに最適な一台と言えます。

結局どれを選ぶべき? 目的別エクストレイルのおすすめグレード

個性的な新グレードが加わったエクストレイルですが、標準仕様も魅力があり、どれを選べばよいか迷いますよね。ここでは、ライバル車との比較も交えながら、最も買い得なグレードと、ライフスタイルに合わせた選び方をご紹介します。

買い得なグレードが欲しいなら「X e-4ORCE」

機能や装備と価格のバランスを考えると、最も買い得なグレードは標準仕様の「X e-4ORCE」(434万9400円)でしょう。

その理由は、ライバル車がひしめく市場のど真ん中に設定された、絶妙な価格にあります。現在、ハイブリッドを搭載したミドルサイズSUVの売れ筋は450万円前後に集中しており、例えばトヨタ ハリアーのハイブリッド「G Four」は452万1000円、スバル フォレスターの「X-BREAK」は447万7000円です。

エクストレイルの「X e-4ORCE」は、まさにこの激戦区で真っ向から勝負できる戦略的な価格設定です。内外装の質感を高めるだけでなく、先進装備も充実しているため、多くのユーザーにとって最も満足度が高く、後悔のないベストな選択となるでしょう。

その上で、ご自身の使い方や価値観に合わせて、より最適なグレードを選ぶのが後悔しないためのコツです。

スポーティな走りを楽しみたいなら

「NISMO」

SUVの使い勝手はそのままに、非日常的な運転の楽しさを味わえます。

快適な長距離移動を重視するなら

「オーテックスポーツスペック」

上質な乗り心地とプレミアムな内外装は、長距離ドライブをより快適にしてくれます。

アウトドアやタフな世界観が好きなら

「ロッククリーク」

エクストレイル本来のSUVらしい魅力をさらに引き立ててくれます。

全グレードで「e-4ORCE」を推奨

いずれのグレードを選ぶにしても、エクストレイルの走行性能を最大限に引き出す駆動方式は、4WDの「e-4ORCE」を推奨します。

まとめ:高価格帯ながらも魅力的な選択肢が増えた個性派SUV

エクストレイルはマイナーチェンジによるグレード追加によって、多彩な選択肢を持つ個性的なSUVへと進化しました。スポーティな「NISMO」、プレミアムな「AUTECH SPORT SPEC」、タフな「ROCK CREEK」、そしてバランスの取れた標準グレードと、選択肢はかつてなく豊富です。

しかし、これだけ魅力的な選択肢が揃うと、かえってどのグレードが自分に合っているのか、迷ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

後悔しないクルマ選びの秘訣は、ご自身のライフスタイルやクルマの使い方を具体的にイメージすることです。

スポーティな走りを求めるのか、家族との快適な移動を重視するのか。それぞれの用途によって最適なグレードは異なりますので、ぜひ一度販売店で試乗し、その違いを体感してみてください。

そして最後に、どのグレードを選ぶにしても、エクストレイルが誇る第2世代e-POWERの滑らかで力強い走りを最大限に味わうなら、駆動方式は4WDの「e-4ORCE」を強く推奨します。エクストレイル本来の魅力を存分に引き出す、まさに核となる技術です。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:島村 栄二 画像提供:日産自動車/SUBARU】

日産/エクストレイル
日産 エクストレイルカタログを見る
新車価格:
384.3万円596.2万円
中古価格:
24.7万円553万円

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

検索ワード

渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

MOTA編集方針

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

日産 エクストレイルの最新自動車ニュース/記事

日産のカタログ情報 日産 エクストレイルのカタログ情報 日産の中古車検索 日産 エクストレイルの中古車検索 日産の記事一覧 日産 エクストレイルの記事一覧 日産のニュース一覧 日産 エクストレイルのニュース一覧

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる