みんなが驚いたあのクルマ、あのエンジン |【1990年代パワーウォーズ ベスト3】

  • 筆者: 永田トモオ

今や300馬力超えも当たり前の時代に!

世界初の量産型ハイブリッドカーのトヨタ・プリウスがデビューしたのは1997年のことだ。それから20年以上が過ぎてガソリンエンジン&モーターのハイブリッド機関は、ハイエンドモデルに採用されるまで高性能化している。最新のトヨタ クラウンの3.5Lハイブリッドモデルなどは、エンジン馬力に換算すると359psというハイパワーぶりで、80~90年代のパワーウォーズは何だったの!? と思わず唸ってしまうほど。

>>懐かしのR32 GT-Rや三菱 ランサーエボリューションIなど当時のスターが勢揃い!

馬力規制のなかで各社が頑張っていた

1990年代は、上限280psという馬力規制にアタマを押さえられていた時代であった。初の280psカーは、1989年にデビューした日産 Z32型フェアレディZ。そこから各メーカーが次々に280psカーを送り出し、90年代は馬力規制の中でのパワーウォーズとなったのだった。

そんな中で輝いていたベスト3は、2JZ-GTEエンジン搭載のA80型トヨタ・スープラ、RB26DETT搭載のR32型日産 スカイラインGT-R、そして4G63搭載の三菱 ランサーGSRエボリューションだ。順位をつけるなら、ゴメンナサイをしながら、スープラとスカイラインGT-Rが同着1位。僅差でランサー・エボリューションGSRを3位としたい。

トヨタ スープラは今も昔も憧れの1台

A80型四代目スープラは1993年デビュー。クラシックなルックスの2ドアクーペで、搭載する2JZ-GTEは排気量3L。6気筒DOHCにインタークーラー・ツインターボで最高出力は280psだ。

特筆すべきは280psカーでありながら、ファミリーカー並にラクに扱える操作系だ。クラッチやブレーキの踏力、さらにはステアリングもほどよい軽さだ。それでいて安っぽさが微塵もない操作系は、まさに新世代のFRスポーツカーを感じさせた。ツーリングカーレースでは別のエンジンを積んで多数の勝利をあげているが、走りのよさは2JZ-GTEでも変わらなかった。

驚異のスペックでケンメリから16年ぶりに復活したR32スカイラインGT-R

一方、硬派のR32型スカイラインGT-Rは画期的な4WDスポーツとして1989年にデビュー。搭載するRB26DETTは排気量2.6L。コチラも6気筒DOHCのインタークーラー・ツインターボで最高出力は280ps。実はレース参戦を前提に設計されており、専用エンジンであった。

そして1990年にツーリングカーレースに投入されたGT-Rは、初戦から勝利を続けシーズンチャンピオンを獲ってしまう。他のR32型とは明らかに異なるタフなルックスは、若者ばかりかオジサンまで魅了したのだった。

三菱 ランエボIは公道を走るレースマシンだった

3位の「ランエボI」ことランサー・エボリューションGSRは、四代目ランサーの追加モデルとして1992年のデビュー。搭載する4G63ターボは排気量2Lで4気筒DOHCのインタークーラー・ターボで、リッター100psを軽くオーバーする250psの最高出力だった。

実はこのクルマはWRC、世界ラリー選手権出場のための形式認定用モデル(ホモロゲ認証を受けるため)で、4WD化されたレーシングマシンだったのだ。だから、GT-R同様にだれもが乗りこなせるクルマではなかったが、走り好きからの支持は絶大で、シリーズは2015年のランエボXまで続いた。好敵手として同じ年に登場した、スバル・インプレッサWRXとのパワーウォーズも有名な話だが、やはり”エボリューション”のインパクトは大きかった。

次世代カーの技術は馬力規制のおかげだった?

前回の80年代に引き続き、90年代も日産とトヨタをトップ2に挙げてしまったが、当時のパワーウォーズを牽引していたのは間違いなくこの二社だ。そして、この時期に積み重ねたエンジン技術が、ハイブリッド機関の発展を可能にしたのだ。もっと言えば、馬力規制があったからこそ、世界に先駆けてハイブリッド車の市販に成功したともいえそうだ。

 

 [筆者:永田 トモオ/写真:日産・トヨタ・ホンダ]

 

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監修トクダ トオル (MOTA編集長)

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