DESIGNER'S ROOM vol.3 NISSAN SKYLINE CROSSOVER 渡辺誠二(1/4)
- 筆者: マリオ 二等兵
- カメラマン:島村栄二
日本ではあまり大きく取り沙汰されないカーデザインという分野。
当然カーデザイナーも同じである。
日本は自動車先進国でありながら、現代の若者の自動車離れは加速度を増す一方だ。そこでオートックワンは、クルマの楽しみ方の一つに“デザイン”という、もう一つの分野が存在することを、多くの若者に認識してもらおうと考えた。
このクルマは誰が、どんなコンセプトのもと、どんな想いで、デザインを行ったのか。
話題のクルマを監修したデザイナーに、オートックワンが一早くクローズアップ。一線で活躍するデザイナー達による、その造形に託した熱いメッセージを、インタビューで解き明かす企画、
それが、DESIGNER’sROOMである。
今回、スカイラインをSUV化するにあたり、どのようなことを意識してデザインされたのでしょうか?
まずは歴代のスカイラインを思い出してみてください。
スカイラインには半世紀も前に誕生した初代モデルから、すでに派生車種が設定されていました。初代モデルにはオープンカー版が、そして3代目のハコスカや5代目のジャパンにもワゴンボディ版があったのです。
このように、歴代スカイラインは日本のラグジュアリーセグメントにおいて、常に新しいライフスタイルを提案してきましたが、それが派生車種の役割だったのです。
今の時代の要請的には、オープンカーやワゴンではなく、クロスオーバー。お客様にセダンやクーペとは違う価値観、多様性を与えられるクルマとしてデザインしました。
現行型スカイラインの開発段階で、すでにクロスオーバー(北米でのインフィニティEX)の商品化は決まっていたと伺いました。フロントマスクなどはスカイラインらしさを強く残したという印象ですが、リアのデザインは逆に「らしさ」をあえて残さなかったと思えます。その点はいかがですか?
スカイラインクロスオーバーは、あくまで新しいジャンルのクルマとしてデザインしました。
スカイラインには素晴らしい伝統と歴史があり、それは何者にも代え難い、これからも大事に育てていくべき大きな財産なのですが、良くも悪くも、スカイラインというイメージが確立し過ぎてしまったという面があります。
セダンやクーペには硬派なスポーツイメージが強過ぎて、「男の汗の匂い」のようなものも感じさせてしまう。
セダンやクーペのお客様には、まさにこの男くささが支持されてきた理由のひとつでもあるのですが、今度のクロスオーバーには女性にも広く乗ってほしいという願いを込めて、魅惑的な躍動のエレガンスを追求しました。
スカイラインらしさを意図的に強く残したのはどの部分ですか?
たとえば、Dピラーのアーチの形はスカイライン兄弟そのものですし、「カタマランフェンダー」と呼んでいる双胴型のヨットをモチーフとしたフェンダーの造形も、V35の時から採用していますので、テールレンズ以外に「らしさ」はしっかりと残しています。
そして、何よりもスカイラインのデザイン上の最大の強みとなったのは、FRであるということですね。FRをあえて選ぶ贅沢さ。FRにしかできないエレガントなプロポーションに、新しいスカイラインらしさが表現できていると思います。
具体的には、FRのスポーツカーのようなロングノーズ&ショートデッキを基本とし、キャビンを後ろに後退させて、それを強調しました。フロントのグリルを前に出し、ヘッドランプを奥に後退させることによって、フロントオーバーハングを短く見せていますが、これはFFではいくらやっても不可能な手法なのです。
視覚的な重心を後ろに置くことで得られる流麗さやエレガンス、気品さを表現できるところは、FRならではの美点といえるでしょう。
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