日産 スカイライン 試乗レポート

日産 スカイライン 試乗レポート
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2004年11月、「スカイライン セダン」をマイナーチェンジ&「クーペ」を一部改良

フロントスタイリングリアスタイリング

現行スカイラインは01年6月に4ドアセダンがデビューした。その後、03年1月に2ドアクーペが加わった。

この2ドアクーペは02年11月にまず北米市場に、「インフィニティG35」の車名で市販開始。その後に日本市場にも投入されたのだ。つまり、日本市場よりも北米市場を意識してつくられたモデルということになる。実際に現在の販売台数も、日本より北米のほうが多い。

クーペがデビューしてから最初のマイナーチェンジは04年11月。このときにセダンも細かな改良が行われた。

変更はクーペ、セダン共通のものと、独自のものがある。クーペは主に走行性能を向上した改良、セダンは外観にも手を入れたチェンジになる。

メカニカルな部分で注目したいのは、クーペに19インチタイヤ/ホイール、スポーツチューンドサスが用意されたことと、セダンに18インチタイヤ/ホイールが装着されたことだ。

セダンのテールランプにはクーペと同じく伝統の丸型4灯式を採用

ステアリングフロントシート

クーペ、セダンに共通した変更はインテリアだ。インパネがソフト素材になり、センターパネル、ATシフトノブ、ドアアームレストグリップに本アルミ素材を使用した。

ハンドルもこれまでのチルト機構に加え、前後に調節できるテレスコピック機能を追加、これでかなり自由なドライビングポジションが可能になった。このような細かい改良は良心的だった。

外観の変更はセダンだけ。グリルやバンパー、フードパネルなどが変わったが、注目はテールランプ。クーペと同じく丸型4灯式を採用したのだ。

スカイラインといえばやはり丸型4灯式のテールランプ。ようやくセダンもスカイラインらしくなった(?)。

セダンは安全性能も向上している。このような改良で車両価格はグレードにもよるが、5~6万円のアップになった。

350GTクーペはスカイライン史上初の19インチタイヤを標準装着

エンジンタイヤ&アルミホイール

スカイライン史上初の19インチタイヤを標準装着した350GTクーペをメインに試乗した。大径のタイヤ/ホイールは見た目にも迫力がある。フロントは225/40R19、リアは245/40R19だ。ホイールはフロントが8インチ、リアは8.5インチ幅になる。

気になったのはホイールの奥に見えるブレーキ。ブレンボ製ではなくなったのだ。

試乗車はマニュアルシフトモード付の5速AT。V6、3.5L280馬力エンジンは、セダンよりも8馬力強力。トルクも1kgm多い。Dレンジでも十分にはやい。6400回転まで上昇してシフトアップする走りは、スポーツカーそのもの。

マニュアルモードに切りかえると、シフトダウンの度にエンジン回転を合わせるシンクロレブコントロールが動き、まるでレーシングカーを操っているよう。19インチタイヤとスポーツサスはかたく、上下動がキツすぎ。ノーマルの17インチ仕様でも十分に楽しめる。

350GTプレミアム(セダン)は、スポーツセダンとしてトップレベルの仕上がりに

テールランプ&エンブレムヘッドライト

今回のマイナーチェンジは、4ドアセダンも改良を受けた。「350GTプレミアム」に試乗したが、こちらは17インチタイヤを装着している。サスペンションのセッティングもタイヤに合っており、スポーツセダンとしてトップレベルの仕上がりだった。セダン用の18インチは「350GT-8」「350GTプレミアム」の6速MT車に標準だが、17インチ+ATでも十分に楽しめる。

クーペはスタイルも美しく、個人的にはフェアレディZよりもバランスがよく、好感をもっている。リアシートも一応あるので、なにかと便利だ。

クーペのミッションは試乗したマニュアルシフトモード付5速ATと、6速MTがある。6速MTはかなりシフトフィールが改良されたのだが、あと一歩。まだATのほうが扱いやすく、ドライビングを楽しめる。19インチタイヤ仕様も、レーシーすぎる。

ノーマルの350GTで十分だ。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

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