[試乗]売れてる日産 セレナ、もうひとつの顔”Rider”(ライダー)の魅力に迫る(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正・オーテックジャパン
ノーマルのセレナとはガラッと異なる内外装の印象
セレナライダーのフロントマスクは、標準車とは印象が大幅に異なる。標準車にはV字型のメッキグリルが備わり、新型セレナの最も分かりやすい識別点になるが、ライダーではこのデザインを変更した。フロントグリルには細いメッキのスリットが入り、シンプルに仕上げている。
そうなると特にホワイトのボディでは、方向指示機とヘッドランプを上下に分けたデザインが強調され、正面から見るとトヨタ ヴォクシー、あるいは日産の上級ミニバン エルグランドなどにも似た印象も受ける。
ライダーの専用装備として、ブルーホールLEDにも注目したい。フロントバンパーの下側(LEDフォグランプの下)に装着された装飾で、ミラーを内蔵して奥行感を持たせ、文字通り穴が開いているように見える。実用性はないが、夜間には目を引くイルミネーションだ。
アルミホイールはライダー専用で、前輪駆動の2WDには16インチタイヤ(195/60R16)が装着される。2WDの最低地上高は標準車と等しい160mmだから、エアロパーツを備えても下まわりを擦る心配はない。
日産 セレナ ライダー オーテック30周年特別仕様車のボディサイズは、全長が4845mm、全幅は1755mmだ。ハイウェイスターに比べると75mm長く15mm幅広い。5ナンバーサイズに収まるセレナの標準ボディとの比較では、155mm/60mmの拡大になる。エアロパーツや専用グリルを装着したことで、ドライバーの死角に入るところでボディを拡大した。
最小回転半径は、16インチタイヤの2WDが5.7m、15インチの4WDは5.5mだから、標準車と同じ数値に収まる。
ライダー独自の明るい内装は好印象
内装は前述の本革シートとストーンホワイトによって明るい印象だ。本革シートの座り心地は快適に仕上げた。本革はファブリックやモケットに比べて伸縮しにくく、車種によっては柔軟性が損なわれたり、摩擦が低いことによる滑りも生じやすい。この2つの要素が悪い方向に重なるとホールド性が悪化するが、セレナの本革シートはこれらの不満を感じさせない。
ライダーには3列目のスライド機能も標準装着され、5ナンバーサイズを基本としたミドルサイズミニバンでは居住性が最も優れている。
ちなみにミニバンはどの車種でも1/2列目は快適だが、3列目は頭上と足元の空間が狭まったりシートが小さくなりやすい。それがセレナの3列目にスライド機能を装着した仕様なら、後端まで寄せると足元空間が広がり、多人数の乗車でも窮屈に感じない。この特徴はライダーにも受け継がれた。
シートアレンジは多彩で、2列目の中央部分を1列目の間までスライドさせると、収納設備として使える。この状態では2列目の中央に通路ができるから車内の移動もしやすい。ミニバンの機能を追求しながら、内外装をスポーティーで上質にアレンジできることもセレナライダーの魅力だ。
車重1.7トンのセレナ ライダー、もう少しパワーが欲しくなるシーンも
エンジンはほかのグレードと同じ直列4気筒の2リッターを搭載して、Sハイブリッド(スマートシンプルハイブリッド)の機能を備える。エコモーターが減速時の発電、アイドリングストップ後の再始動、エンジン駆動の支援(ハイブリッド機能)を兼任する。
アイドリングストップ後の再始動では、ベルトを介してエンジンを始動するから金属的なノイズが発生しない。無音ではないが静かに再始動する。
モーターの最高出力は2.6馬力と小さく、一般的なハイブリッドと違って駆動力はほとんど体感できない。それでも燃費を節約する効果があり、JC08モード燃費は、16インチタイヤを装着したセレナ ハイウェイスター Gが16.6km/Lだ(ライダーの数値は公表されていない)。
2リッターエンジンは実用回転域の駆動力を高めたタイプだが、日産 セレナ ライダー オーテック30周年特別仕様車は、車両重量が2WDでも1720kgに達した。そのために動力性能は十分とはいえず、多人数で乗車すると2.5リッターエンジンが欲しいと感じる場面もある。このあたりは背の高いミニバンに見られがちな欠点だ。
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