交通事故や話題の“煽り運転”などにも! もしもの時に車が緊急通報するシステム「ヘルプネット」とは!?【I LOVE 軽カー】(1/2)
- 筆者: 工藤 貴宏
軽自動車は広い居住空間や高い利便性だけ? やっぱり事故ったら普通車に比べて危ない? そんなこと全然ありません! 最近の軽自動車は安全性能が格段に進化しているのです。ここでは、具体的に何がどう進化しているのか、メーカーによって何が違うのかを、各安全装備ごとに分かりやすくお届け!
今回は、非常時緊急通報サービス「ヘルプネット」について解説していきます。
事故などの緊急事態発生時、ボタン1つで対応をサポート
ちょっと想像してみよう。土地勘のない道をクルマで走っているときに、事故に遭遇したとしたら。
警察を呼びたいけれど、場所もよくわからない状況で110番通報してスムーズに状況を伝える自信はあるだろうか? 知らない場所だったら、夜間だったら、ひとりだったら。そんな時は心細くなりがちだけど、しっかり対応できるだろうか。けが人がいたら、警察だけでなく救急車の手配もしなければならない。あせらず、冷静に119番をダイヤルして救急車を呼ぶことができるだろうか?
そんなとき、もしボタンひとつで緊急時専門のオペレーターにつながり、オペレーターが警察屋救急車の手配など緊急対応のサポートしてくれたら安心だろう。
さらに、もっと大きな事故を起こしてしまったらどうなるか。負傷状態によっては一刻一秒を争うが、もしドライバー自身も大きなダメージを受けて意識を失って、自分で110番や119番通報ができない状況になるかもしれない。その時、どうやって命を守るべきか。
そんなとき、事故被害に応じてドライバーの操作なしに自動で緊急事態を誰かに連絡。それを受けてオペレーターが警察や救急車、状況によってはドクターカーやドクターヘリまで手配してくれる仕掛けがあったら、より安心したカーライフが送れるのではないだろうか。
軽自動車にも採用され始めている非常時緊急通報サービス「ヘルプネット」
実は、最新の一部のクルマではそんな仕掛けが提供されている。しかも、軽自動車でも採用車種があるといえば、驚く人も多いことだろう。
システム名称は「ヘルプネット」。非常時の緊急通報サービスとして官民連携でシステムが構築され、全国すべての警察本部とほとんどの消防本部(人口カバー率9割程度)の指令センターとの接続が可能になっている。緊急時の状況にあわせ、オペレーターが関連機関への通報や緊急車両手配をサポートしてくれるのだ。オペレーターにはクルマの位置情報や車両情報も発信される。だから場所が分からなくても、正確にパトカーや救急車など緊急車両を手配できるのも強みだ。
クルマからオペレーターに接続する方法のひとつはドライバーからも助手席からも手が届く前席中央頭上などに用意された緊急ボタンを押すことだが、それだけに限らない。クルマが大きなダメージを受けるような事故の際には、ドライバーが操作しなくても自動的にオペレーターへ発報する機能が組み込まれている。エアバッグの展開をきっかけとして、緊急事態を伝えるのだ。
その際は、緊急自動通報システム「D-Call net」として車両から位置情報だけでなくシートベルトの着用状況、さらに衝突の方向や衝突の激しさも情報として送信。情報を車種ごとにあらかじめシミュレーションされたデータに当てはめ、乗員の死亡重症確率も計算される。そのデータに基づき、状況に応じてドクターカーやドクターヘリの手配もおこなう、命を守るサービスといっていい。
さらにこのサービスは、事故はもちろん、怪我や急病、そして水没などの緊急時、さらにはいわゆるあおり運転などの犯罪被害時にも使えるのだから心強い。
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