日産 マーチ 14e 試乗レポート

  • 筆者: 西沢 ひろみ
  • カメラマン:芳賀元昌
日産 マーチ 14e 試乗レポート
リアスタイリング インパネ フロントシート リアシート オーディオ&エアコン ラゲッジスペース 試乗 エンジン ヘッドライト フロントスタイリング 画像ギャラリーはこちら

「小さいクルマを楽しむ」。コンパクトカーの本質を一段と追求した。

リアスタイリングインパネ

82年に誕生したマーチは、当時リッターカーと呼ばれていた市場を完全に独占。世界中の幅広いユーザーに愛されてきた。10年に1回のフルモデルチェンジを守り続け、92年に2代目が登場、そして02年の3月7日、3代目にあたる新型が市販化となった。新型マーチは、ルノーとプラットフォームを共通化した最初のクルマでもある。

一見、新しいマーチのスタイルは非常に個性的に見える。ところが、サイドやルーフのラインは旧型を踏襲している。スクエアなクルマが続々と増える中で、愛くるしい丸味のあるスタイルを守り続けたのだ。さらに「オープンカフェにある食材の色」というマーチ専用の5色を含む多彩な12色のボディカラーが、ウキウキする楽しい雰囲気を与えている。

ファミリーユース色の強いフィット、どちらかというとボーイッシュ派のヴィッツに対して、かわいらしさと親近感を演出しているマーチは女性ユーザー志向。アプローチは多少違っているが、ライバル車とのガチンコ勝負は必須だ。

質感と素材感の高さは、コンパクトカークラスの域を完全に超えている。

フロントシートリアシート

とにかく驚かされたのは質感の高さと素材へのこだわりだ。手が触れる部分はもちろん、室内に身をおくだけでそれが感じられる。特にシボをあしらったダッシュパネル、陶器調のスイッチ類、シートの座り心地と肌触りは、コンパクトカークラスを完全に超えた仕上がりといっていい。

使い勝手を高める機能装備の充実ぶりも群を抜いている。オートライトシステム、バッテリーセイバー、電磁式バックドアオ-プナー、身体にフィットした運転ポジションが取れるハイトアジャスター&チルトハンドルなどは、ライバル車が持たない上級車用の装備だ。自慢のアイテムは、ドアのロック・アンロックとエンジンのオン・オフがキーを差し込まなくてもできるインテリジェントキー。荷物をたくさん持っているとき、傘をさしているときに便利だ。オプションのカーウイングスも、カーナビに比べて安価な次世代情報サービスといえる。

四角に比べて丸いカタチはパッケージング効率が悪く思うかもしれない。だけどマーチは前後席ともに大人がちゃんと座れるスペースがある。ラゲッジも必要十分な容量を確保している。

しっかり感と乗り心地を融合したフットワークが小気味いい。

オーディオ&エアコンラゲッジスペース

最上級グレードに積まれる新開発のCR型1.4Lエンジンは、旧型に比べて格段に動力性能がアップ。街中から高速道路まで、発進、加速、クルージングを気持ちよくこなしてくれる。「超-低排出ガス」認定の取得も見逃せない。ただ4速ATが頻繁に変速を行なうセッティング。このため高回転域を使うことが多くなり、エンジン音が大きめに感じてしまう。

乗り味は想像していたタウン仕様ではなく、しっかり感と剛性感がはっきり伝わる欧州車的なテイストだ。それでいて乗り心地の良さも持ち合わせている。ところが電動パワステの操舵フィールが、この心地よさを損なっているのだ。微低速時は非常に軽いアシストで、速度があがるにつれて手応えがでてくるが、高速域ではやや重い印象。この差がありすぎるアシストが扱いづらさにつながっているのだろう。エンジンをかけた直後、作動するまでのタイムラグも気になるところ。タウンユースとして割り切った制御が望まれる。

ユーザーの希望をしっかり受け止めて、マーチブランドとして正当進化した。

エンジンヘッドライト

旧型マーチのユーザーは、独身&ディンクスが30%、ファミリーが26%、子離れした夫婦が44%というように、非常に幅広い世代に受け入れられてきた。魅力は内外装のデザインと運転のしやすさ、不満は動力性能と少ない収納スペースだった。新型マーチに乗ると、このユーザー・リサーチにそって正当進化を図ったことがよくわかる。好評なところはさらに磨きをかけ、不満は限りなく解消した結果だからだ。

確かにスタイルは安心できるマーチらしいカタチ。インテリアは非常にレベルの高い仕上がりで、パッケージングも十分に満足できる。ところが、いざ走り始めるとこの好印象が損なわれてしまうのだ。幅広いユーザーすべてに目を向けたのが要因だろう。とはいえ基本性能に問題があるわけではない。ユーザーと走行シーンを絞り込んでセッティングすれば、ガラリと印象が変わるのではないだろうか。

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筆者西沢 ひろみ
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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