日産、トヨタもビックリ!ポルシェが「超急速充電」発表でEVの常識を覆す(1/2)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:ポルシェ
ミッションEがなければ超急速充電は量産見通しがなかった
「ミッションEがすべてを変えてしまった」。
ドイツで開催されているEV向け車載電池の国際カンファレンスで、業界関係者はそう指摘した。
ミッションEとは、ポルシェが2015年のフランクフルトモーターショーで公開した、同社初のEVだ。その後、2019年~2020年頃の量産化が決まった。
打倒テスラを目指して、独創的かつ優美なボディデザインが目を引くミッションEだが、電池や充電器に係る人々が「驚いた!」と指摘するのは、電圧800Vで出力350kwを発揮する超急速充電についてだ。
ポルシェの電動車といえば、現在は4ドアクーペのパナメーラとクロスオーバーSUVのカイエンにプラグインハイブリッド車がラインアップされている。これは、昨年まで世界耐久選手権(WEC)に参戦していたハイブリッドレーシングカーの919ハイブリッドで培ったテクノロジーを応用したもの。
そうしたハイブリッド戦略からさらに一歩踏み出し、ポルシェは今後、世界EVフォーミュラカー選手権のフォーミュラeに参戦し、ミッションEへの技術的なフィードバックとEVに関するイメージ戦略を突き進めることが決まっている。
フォルクスワーゲングループの事業戦略・EVシフトをポルシェがけん引するのだ。そのために、超急速充電は必要不可欠であり、そうしたポルシェ経営陣の思い切った意思決定が自動車産業界及び電機業界のド肝を抜いた。
充電の常識を覆す
欧米メディアの各種報道では、ミッションEにはパワートレインや電池パック容量でそれぞれ少なくとも3つの仕様があるという。
現時点でポルシェが発表している内容している基本仕様は、満充電での航続距離500kmの場合、満充電の80%までを15分間で行う。
比較対象として、新型日産リーフの場合、急速充電器による充電時間は航続距離400kmで満充電の80%まで40分間かかる。つまり、1分間あたりの航続距離は、ミッションEが33kmなのに対して新型リーフでは10kmとなり、両社は約3倍の開きがある。これを実現するのが、高出力化だ。
チャデモが最大出力62.5kwで、電圧400Vでは実用出力45kw。一方のミッションEが採用するCCS(コンボコネクター方式)の場合は電圧800Vで実用出力350kwを発揮する。
また、テスラの場合は電圧400Vで実用出力は120kwである。
ユーザーとしては、EVで最も面倒な充電をより短時間行えるメリットは極めて大きい。
しかし、充電器そのもの安全性の確保、さらに現在実用化されているEVのほとんどが採用しているリチウムイオン二次電池の劣化への配慮から、直流による急速充電の高出力化について、自動車メーカー自身が自主規制してきた。
そうした業界の常識をポルシェが一気に破ったのだ。
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