日産 フェアレディZ 試乗レポート
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:原田淳
VQ35HRを搭載しさらに進化したフェアレディZに
フェアレディは日産を代表するアイコンとも呼ぶべきクルマであると同時に、日本で最も長い歴史を持つスポーツカーで、生産のルーツは1958年にまで遡る。北米向けには1960年から輸出が始まり、国内では1962年から登録が始まった。初期のSP型/SR型の時代にもハードトップはあったが、クローズドボディのフェアレディZに変わったのは1969年10月からだ。
その後、モデルの変遷を重ねた後、一時的にもモデルが途切れた時代があったが、2002年に現行フェアレディZが改めて復活を遂げている。現行モデルがデビューした当時から開発責任者の湯川CPSが語っていたように、フェアレディZは毎年進化を遂げており、足回りやエンジンの改良を重ねてきた。
特に2007年1月のマイナーチェンジでは、新開発のVQ35HRエンジンを搭載して動力性能を大幅に向上させている。同時にバージョンNISMOを設定したのもポイントだ。
初代フェアレディZを彷彿されるデザイン
今回のマイナーチェンジでは内外装のデザインの変更は小幅なものにとどめられている。変更されたのはボンネットフードで、フードに膨らみを持たせることで、初代フェアレディZを彷彿とさせるデザインとしたほか、当時のボディカラーを今に蘇らせたプレミアムパッショネイトオレンジを新色として設定するなど、全8色のバリエーションとした。またロードスターにグレーの幌色を採用した。インテリアはグレーの内装が採用されたのが変更点だ。
新色のオレンジはいかにも目立つボディカラーで、スポーツカーのフェアレディZにふさわしもの。この色のクルマに乗って走ると周囲からの注目度も高まる。
このほか装備はアクティブヘッドレストを採用するとともにヘッドレストを大型化したことや、カーウイングス対応のDVDナビゲーションの機能を向上させたこと、タイヤをポテンザRE040からRE050Aに変更したことなどが改良点となる。
フェアレディZ専用にエンジンをチューニング
新型フェアレディZに搭載されたVQ35HR型エンジンはすでにスカイラインに搭載されているものと同じだが、フェアレディZ用に専用のチューンを受けている。
このエンジンの身上は高回転域まできれいに良く回ること。アクセルワークに素直に反応して7500回転まで一気に回転が上がっていく。この吹き上がりの気持ち良さとともに、高回転まで回したときのパワーフィールは正にオーバー300psのエンジンといえる。同時に低速域でも排気量に見合った十分なトルクが確保されている。
また、一般道での限られた状況での試乗だったのでタイヤの性能を十分に試すことはできなかったが、今回のタイヤの変更はコーナリングでの安定性の向上につながっているようだ。
6速MT車だけでなくロードスターの5速AT車にも試乗したが、このATはマニュアル操作が可能でシフトダウン時に回転を合わせる機構を備えている。オープンにして流して走るのも良し、レバーを操作して積極的に走りを楽しむのも良いと思う。
GTカーをイメージしたバージョンNISMOを追加設定
今回のマイナーチェンジではバージョンNISMOが追加設定された。スーパーGTのレーシングカーのイメージを市販車に反映させたもので、外観をドレスアップすると同時にボディやシャシーを強化し、市販最強タイヤといえるポテンザRE01Rを装着するなど、メーカーの保証の下に販売されるコンプリートカーといった感じのクルマだ。
いかにも効きそうなエアロパーツを装着した外観は標準車と明確に差別化されているが、これは単なるドレスアップではなく、レーシングカーのノウハウを生かしてマイナスリフトを実現している。
実際に走らせると、硬めの乗り心地とがっちりしたボディの剛性感によってしっかり守られている印象を受ける。このクルマを運転するにはそれなりに緊張感を持つことが必要だが、最もスポーツカーらしいモデルといことができる。
搭載エンジンを変更して大きく性能を向上させたフェアレディZは、走りの魅力を格段に向上させたと思う。特にバージョンNISMOの設定はフェアレディZに新しい価値を追加したといえる。NISMOはオープンモデルのロードスターとほとんど変わらない価格で買えるので、購入時には大いに悩まされることになるだろう。
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