日産 フェアレディZ 試乗レポート/小沢コージ(1/2)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:柳田由人
販売台数はちょっと厳しいけど・・・正常進化が続く「Z」
見方にもよるが、最近フェアレディZの販売がイマイチらしい。聞けば国内では月販300~400台、最大市場の北米でも月1500台前後。ざっと計算して、久々の復活で人気を博した旧Z33に比べて、半分ぐらいのペースだ。
確かに数だけ見ると、値段で倍以上はするポルシェが(911からカイエンまでの全体とはいえど)日本でもフェアレディZと同じくらい売れてるし、鳴り物入りで登場したトヨタ86に至っては、4月に出るなり月2760台で銘柄別の17位を記録し、以降も3000台弱を連発。ボーナス期の6月には3000台をオーバーしたことを考えると、現行Z34は若干厳しい。
が、個人的にはこれをどう見るかだと思う。同じコップ半分の水でも「多い」か「少ない」か、見方によってどちらにでも取れるように。確かに現行Z34は、旧型Z33と同じくその時代のスカイラインをベースにし、Z33よりエンジン排気量を200cc増やしつつ、逆にホイールベースを100mmも縮める手法を採った。言わばサイズを縮めて味を濃くするストイックな凝縮路線だ。
スタイルも旧型の様に伸びやかではなく、よりお尻を縮めてマッチョにするトランジスタグラマー路線でセクシー度を強調。個人的にはよりZっぽくエロくて良いと思う。
実際、販売店でも「前のは良かった」なんて声はないが、この辺りの判断は難しく、ストイック方向が災いした可能性はある。時代は新型ポルシェ911などを見るまでもなくゴージャス方面で、特に新興の中国などでは露骨に硬派さよりも豪華さを好むからだ。
しかし、トヨタ86なんかは重心を極端に低くし、リアシートサイズを割り切ったピュア方向。欧州でもウケそうだし、価格層でも判断は違うし、エンジニアが好きなように作る…というのは間違いじゃないはずなのだ。
パワートレインに変化はないが、ダンパーを締め上げるなどのストイックな方向に進化
というわけで今回デビューから約4年後の2012年7月に行われたマイナーチェンジは、なんとも正常進化かつ時代を反映させた結果となった。
一番大切な見た目だが、正直大変更ってほどのものはないが、ズバリ!よりエグくて味濃いめな方向へと進化した。くの字型の独特のヘッドライトに変更はなく、フロントバンパーのエアインテークがスクエアな長方形となり、両サイドに縦スリット風のLEDが付くと同時にエラっぽい造形になった。実はコレ、旧型Z33にもあったデザインで、ある意味、原点回帰かもしれない。
侮れないところではアルミホイールがまるで「ジャックと豆の木」の枝みたいに、にょろにょろ伸びる大胆デザインとなり、ブレーキキャリパーがレッドに塗られた。ボディカラーにもハデなメタリック系オレンジが選べるようになった。
一方、インテリアはほぼ変わらず、情報ディスプレイのベースカラーがシルバーからメタリックグレーになったのみ。Z34になった時に、全体的な質感が飛躍的に高くなって、300万円後半から買えるスポーツカーとしては満足できるものになっただけに文句はないのだろう。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。