日産 新型エルグランド 試乗レポート/岡本幸一郎(2/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
アル・ヴェルとは異なる個性で、もはや直接ライバルでは無い印象も
新型エルグランドの2列目シートは、中折れ機能を付けるなどしたキャプテンシートのつくりも良く乗り心地は文句なし。
アイポイントが低くなったので、従来のワンボックス車的な見晴らしの良さという部分に魅力を感じていた人にとっては、ちょっと物足りないかもしれないのは当たり前だが、居心地の良さは国産ミニバン最上レベルといえる。
オットマンこそ備わるが、ライバル車が行っているような超ロングスライドや、トヨタのエグゼクティブシートのような奇抜な機構はない。また、旧型エルグランドやセレナに見られたセカンドマルチセンターシートもなく、それよりも基本素性として大事な部分を磨き上げたという印象だ。
また、これにより大きな荷物を載せたいときは、3列目を前倒しするだけの手軽さに。
シートを跳ね上げるという大仰な動作が億劫な女性ユーザーにとっても、重宝がられることだろう。ラゲッジスペースはフロア面が高く、下に大きなアンダーボックスがあるが、これはこれで使いやすいと思う。
ライバルとして、エルグランドといえばアルファード/ヴェルファイアと比較せずにいられないわけだが、室内のつくりを見ても、意外と持ってるものが違うクルマになって、直接的なライバルではなくなったような気もする。
あるいはスペースの大きさを追求するなら、むしろセレナなど5ナンバーのハイルーフ系のほうが上、という感じだ。新型エルグランドが目指した境地というのはミニバンとしてのトップエンドではあるが、高級乗用車の次世代型のひとつの姿になったような印象。そのコンセプトに共感する人は少なくないはずだ。
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