日産 新型 エルグランド「踏み間違い衝突防止アシスト」ミニ試乗レポート/松下宏
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:オートックワン編集部・日産自動車
アラウンドビューモニターの技術を応用
「踏み間違い衝突防止アシスト」のシステムは、日産がすでに採用している「アラウンドビューモニター」をベースにしたもの。アラウンドビュー用の4台のカメラに超音波ソナーを使って、駐車操作などの低速走行時、運転者がブレーキと間違えてアクセルを踏みこんでしまったときに警告音を発生するとともに、ブレーキをかけて衝突を防いだり、あるいは被害を防ぐものだ。
壁やコンビニのガラス窓、駐車中のほかのクルマなどといった障害物を超音波ソナーが検知すると、急なアクセル操作をした際に警告を発してドライバーに停止操作を促す。それでもアクセルを踏み続けたときには、トラクションコントロールによってエンジントルクを絞って加速を抑制し、さらに衝突前にブレーキを作動させて衝突を防止したり、状況によっては衝突しても被害を軽減してくれる。
実際の体験では、障害物に模したバルーンに向かってアクセルを踏み込んでみたが、警告音を発した後でアクセルの反応が鈍くなり、さらにブレーキが作動して完全に停止した。
2~3秒後にはシステムによる停止が解除されるが、その間に冷静さを取り戻すことができるだろうから、誤ってコンビニに突っ込んだり、駐車場から飛び出したり転落するような事故は未然に防げる。
超音波ソナーは後方に向けても発信しているので、このシステムは前進だけでなく後退するときにも機能する。
また、万が一踏み切り内に取り残され、遮断機を障害物と認識してシステムが作動した場合でも、アクセルを踏み続けたり、数回あおることで解除される仕組みが採用されている。
世界初の駐車枠検知機能とは
もうひとつの特徴である「駐車枠検知機能」は、駐車場の枠内に駐車しようとして思わずアクセルを踏みすぎたときに作動するもので、これはアラウンドビューモニターのカメラが白線を認識し、アクセルとブレーキを踏み違えて枠内からはみ出しそうになったときなど、ブレーキを働かせて枠内に納める仕組み。この駐車枠の白線を検知してシステムを働かせる機能の部分が、世界初を標榜する部分である。
さらに、渋滞中や駐車場での車庫入れのために微低速で動いているとき、前方のクルマなどの障害物を検知すると、ブレーキを働かせて衝突を回避または低減する仕組みも備えている。これは微低速に限られるが、ほかのメーカーが採用を始めた自動ブレーキの一種と言うことができる。
今のところ3.5リッター車にのみ設定、しかも高価な純正ナビなどとセットオプション
日産の「踏み間違い衝突防止アシスト」は、基本的にアラウンドビューモニター装着車に設定される新装備だ。従来の仕様に対してこの機能向上の分は2~3万円高程度に収まるというから、それ自体は納得モノの価格設定といえる。
ただし、アラウンドビューモニターは純正メーカーオプションのカーウイングス対応カーナビシステムと合わせないと装着することができない。その上、今回の「踏み間違い衝突防止アシスト」だけを単純に追加することはできず、インテリジェント・クルーズコントロール(0~100km/hで先行車に追従しての走行が可能)やインテリジェント・ブレーキアシストなどもセットで装着される。結果として、従来のカーナビに対してさらに15万円高くらいの設定になる。
また踏み間違い衝突防止アシストはエルグランドの350系(V6 3.5リッター車)だけにオプション設定されるもので、最も安いものでもオプション価格が62万円を超えるから、そもそも高価な3.5リッター車に対しさらに上乗せして買うかどうかはなかなか難しい。
なお、車両本体価格が500万円を超える「350ハイウェイスター・プレミアム」や、これをベースとするオーテックジャパン製のカスタマイズリムジン「VIP」には、踏み間違い衝突防止アシストは標準で装備されている。
[レポート:松下宏]
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