トヨタ、F1撤退を正式発表
ホンダに続き、トヨタも2009年限りでF1撤退
トヨタは、フォーミュラ・ワン世界選手権(F1)から今年限りでの撤退を発表した。臨時取締役会での正式決定後に、豊田章男社長が東京都内で会見した。
トヨタは、コスト削減から、今年7月、傘下の富士スピードウェイ(静岡県小山町)でのF1開催から昨年限りで撤退することを表明。10月の日本GP会見時には、2012年まで継続する方針を示していたが、運営費や車両製造費などで年間数百億円かかるF1参戦の今後の継続は困難と判断した。
会見には、トヨタF1チーム代表の山科忠氏も同席。以下がその内容。
トヨタは、昨年来の急激な経済情勢の変化の中でも、豊かなクルマ文化の創造に向けた重点施策として、モータースポーツの最高峰であるF1への参戦を継続してきた。しかしながら、昨今の厳しい経営環境を踏まえつつ、来年以降のモータースポーツ活動についても、あらためて中長期的な観点から総合的に検討した結果、本年限りでのF1からの撤退を決定した。今後、F1に参戦していたトヨタのモータースポーツ子会社Toyota Motorsport GmbH(トヨタ モータースポーツ有限会社)は、欧州におけるモータースポーツ活動拠点へと、事業内容を転換していく予定である。
トヨタはモータースポーツ活動を、クルマの持つ「夢」や「感動」をお客様にもたらす大切なものと位置づけており、F1には、2002年以降8年にわたって参戦してきた。多くのチームがしのぎを削る、最高峰のレースへの挑戦は、トヨタのブランド認知度・信頼度の向上や、技術開発、人材育成など、様々な面でトヨタに多くのメリットをもたらしてくれた、かけがえの無い貴重な経験であった。単独チームとしての参戦には、多くの困難もあったが、ファンの皆様や、関係者の皆様の温かいご支援に支えられ、8年間で表彰台13回、入賞87回という成績を修めることができた。
トヨタは今後、F1をはじめとするモータースポーツで得た経験を生かしながら、スーパースポーツ「LEXUS LFA」や小型FRスポーツなど、お客様をワクワクさせることのできる市販車の開発に邁進していく。また、モータースポーツ活動についても、様々なカテゴリーのレースへの参戦のみならず、お客様に身近に感じていただけるグラスルーツレベルのレースの支援や、気軽に楽しんでいただけるようなイベントの企画、モータースポーツの一層の発展に貢献すべく、積極的に取り組んでいく。
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