ランボルギーニ、より“攻撃的”になったアヴェンタドールの後継“アヴェンタドールS”発表

ランボルギーニのフラッグシップであるV型12気筒の次世代モデル、アヴェンタドールS

ランボルギーニ アヴェンタドールS

アウトモビリ・ランボルギーニは、アヴェンタドールの次世代モデルとなるアヴェンタドールSを発表した。

新型アヴェンタドールSは、空力性能を重視した新デザイン、新四輪ステアリングシステム、進化を遂げたサスペンション、カスタマイズ可能なドライビングモード、そしてパワーアップした自然吸気12 気筒エンジンが特徴となっている。

アヴェンタドールSのデザインは、車体のフロントおよびリアをはじめとする外装の一部が改良された一方で、側面はアヴェンタドールならではの特徴を残している。いずれも空力性能を最大限にまで高めるとともに、アヴェンタドールならではの複雑かつパワフルな力学を強調している。

より攻撃的な印象になったノーズと長さを増したフロントスプリッターが空気の流れを変え、空力効率、エンジン冷却およびラジエーター冷却面での向上を実現。フロントバンパー側面のエアダクト2本がフロントタイヤからの空力干渉を抑え、リアラジエーターへの交流を最適化する。

車体後部の大半を占めるのが、ブラックのディフューザー。数枚の垂直フィンが気流の効果を増幅させるとともに圧力回復を通じて空気抵抗を削減し、ダウンフォースを発生させる。

可動式のアクティブリアウィングは、速度やドライブ・セレクトモードに応じて3つの位置のいずれかに移動可能。改良された車全体のバランスを最適化し、新たにシャーシ下の前方後方に取り付けられたボーテックス・ジェネレーター(気流を最大化しブレーキ冷却を補助)と連動する。

デザインを一新した結果、大幅に空力性能が向上。先行モデルのアヴェンタドールクーペに比べると、フロントのダウンフォースが130%増加。ウィングが最適位置にある状態では、高ダウンフォースでの全体効率が50%増加、低抗力での全体効率が400%以上増加している。

ランボルギーニ アヴェンタドールS

アヴェンタドールSの横方向制御を向上させたのが、今回ランボルギーニのシリーズ生産車に初採用となった新四輪ステアリングシステム。同システムにより低速および中速域での俊敏性が高まり、高速時の安定性が増している。

またフロントアクスルでは、より自然で高反応な感触とシャープなターンインを可能にするランボルギーニ・ダイナミック・ステアリング(LDS)と統合されている。

LDSはリアアクスルに搭載されたランボルギーニ・リアホイール・ステアリング(LRS)と統合する目的で、特別に採用された。LRSは、ドライバーのステアリングに応じて2本のアクチュエーターが5ミリ秒の速度で反応し、リアルタイムでの角度およびコーナリング剛性の調整を可能にしている。

低速時にはフロントホイールがステアリング角度と逆方向を向き、ホイールベースを縮める。これまでより小さいステアリング角度での走行が可能になるため、より俊敏性に富み、回転半径が小さく、カーブでも高パフォーマンスを発揮。街中や低速運転時での操作が簡単になった。

一方、高速時ではフロントおよびリアホイールが同じステアリング角度をとり、ホイールベースを拡大。車体の安定につながり、反応性を最適化する。

垂直制御の要となるのが、新四輪ステアリングに合わせて運動学面での修正を施した最新式のプッシュロッドおよびランボルギーニ磁気粘性サスペンション(LMS)。

新サスペンションについては、キャスターおよびシステムへの負荷を削減するために上下アームおよびホイールキャリアを装備するなど、LMS用に形状を最適化した。

新リアルタイム可変ダンピングシステムは、ホイールおよび車体制御を最適化するとともに均衡および地盤剛性を最大化する。また、新リアスプリングも、車体のバランス向上に貢献している。

ランボルギーニ アヴェンタドールS

「アヴェンタドールS」では、「ストラーダ」、「スポルト」、「コルサ」、さらに今回新たに加わった「エゴ」モードの4種のドライビングモードが用意され、ドライバーの気分に応じて自由に選ぶことができる。

各モードによって、トラクション(エンジン、ギヤボックス、4WD)、ステアリング(LRS、LDS、サーボトロニック)、サスペンション(LMS)の挙動が変化する。

ストラーダは快適性を重視した走りで、日常使いにお勧め。スポルトは、スポーティーなリアホイールならではのドライビング感覚を楽しみたいときに、コルサはサーキットでパフォーマンスを最大限発揮させたいときに最適なモードとなっている。

エゴは、今回新たに加わったドライビングモード。従来モードへの追加設定ならびにエゴモード独自の設定を備えている。ストラーダ、スポルト、コルサの設定をベースに、ドライバーの好みに応じてトラクションやステアリング、サスペンションがカスタマイズ可能だ。

「アヴェンタドールS」では、すべてのドライビングモードを再調整した。このため、全輪駆動とESCの統合性だけでなく、エンジン・トルク管理システムおよびトラクションコントロールリアクション間のインターフェースが改良された。

LRSに合わせて各ドライビングモード時のフロントおよびリアアクスルへの常時トルク配分が再調整されている。また、これまでよりも明確に各ドライビングモードを差別化している。

ストラーダでは、前進時のダンピング抵抗をスムーズにすることで、悪路でも快適かつ安定した乗り心地を実現した。

また、標準仕様では前後輪トルク配分が60/40となっている。安全性及び安定性を確保し、粘着係数を最大化したことにより、運転および制御がより簡単になった。

スポルトでは、車体を安定させる効果を持つLRSの採用によって後輪へのトルク配分が最大90%にまで引き上げられた。このため、カーブの多い道でもスポーティーなドライブを楽しむことが出来る。

また、安全性と快適性はそのままに、ドライビング精度および総合的な操作性が高められた。アクセルを緩めた際にフロントアクスルへ移動するトルクを軽減させることで車のアジリティが高まり、またライトスロットルおよびステアリングホイールコントロールを使用して簡単にオーバーステアおよびドリフティングがおこなえる。

コルサでは、ドライビング精度やトラクションを維持しつつ、力学およびトラクション制御による介入を軽減。高度な制動力により、ドライビング感覚、ステアリング、ブレーキ、スロットルなど、ドライバーとの応答性が最大限に発揮される。

また、高パフォーマンス時におけるカウンターフェーズ・ステアリングの強化と、前後車軸トルク配分(最大前後車軸トルク配分は20/80)を実現。これにより、挙動がよりニュートラルになり、サーキットに適したパフォーマンスが最大限発揮できるようになった。

ランボルギーニ アヴェンタドールS

「アヴェンタドールS」のV型12気筒自然吸気6.5リッター・エンジンは、先行モデルの出力を40HP上回り、最大出力740HP。トルクは5,500rpmで690Nmとなった。

パワーアップを図るにあたり、VVT(可変バルブタイミング)およびVIS(可変インテークシステム)の両方を最適化し、より豊かなトルクカーブを実現。さらに、最大エンジン回転数も8,350rpmから8,500rpmへ増加している。

また、乾燥重量が1,575kgと軽いため、パワーウェイトレシオも2.13kg/hpとなっている。0-100km/h加速は2.9秒、トップスピードは350km/h以上。トランスミッションを担うのは、軽量のランボルギーニISR(インディペンデント・シフティングロッド)7速シフティングシステム。ロボット化されたギアシフトを搭載し、50ミリ秒以内にギアシフトがおこなえる。

「アヴェンタドールS」は、重要な研究開発プロジェクトの成果として生まれた新排気システムを採用している。先行モデルより20%の軽量化に成功し、いくつものコンフィギュレーションを試した結果、V型12気筒自然吸気エンジンならではの個性的なエンジン音および音響効果が、さらなる進化を遂げた。また、後部に取り付けられた単排気管3本により、新排気システムが存在することが視覚的にも分かる。

先行モデルと同様、「アヴェンタドールS」はエンジン効率を最適化するためにストップ・アンド・スタート・システムとシリンダー休止機能を装備。エンジン能力を全開にする必要がないときには、シリンダーバンクの内ひとつのスイッチを切ると12本ある気筒の内6本が一時的に休止。

一方、加速すると、ドライバー自身が気づかないほどの滑らかさで瞬時にシステムが12気筒モードへ切り替わる。

「アヴェンタドールS」が採用したのは、新たに特別開発されたピレリPZeroタイヤ。このタイヤは、ステアリング、トラクション、レーン変更およびブレーキ効率が最適化されている。

LRS特有の動的挙動に反応するよう専用設計されており、滑らかなハンドリングとドライバーフィードバックが得られる。フロントおよびリアタイヤからの力の発生を改善した車体設計により、ピレリPZeroタイヤの横加速度が高まり、アンダーステア特性を軽減する。

ブレーキシステムには、カーボンセラミック製ブレーキを標準装備。放熱性のカーボンセラミック製ディスクを採用したことによってブレーキ性能が向上し、100km/hからの制動距離が31mに短縮された。

「アヴェンタドールS」のコックピットは、新機能や趣向とともに一新された。新TFTデジタルダッシュボードは、ドライバーの好みに応じてカスタマイズ可能。ストラーダ、スポルト、コルサと、モードごとに異なるコンビ画面が設けられ、エゴモードとも連動している。また、コントロールパネルのドライビングモード・オプションからエゴボタンを選択するとポップアップ画面に新たなオプションが表示され、自由に設定を選ぶことができる。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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