【WEC第6戦富士】トヨタ、ホームレースで表彰台ならず5位・6位フィニッシュ【トヨタレポート】

2015年FIA世界耐久選手権(WEC)第6戦の決勝レースが10月11日、富士スピードウェイで行われた。

1位はポルシェ17号車、2位はポルシェ18号車、そして3位にはアウディ7号車が入った。LMP1クラス唯一の日本勢トヨタは5位、6位でレースを終えた。

トヨタレースレポート

WEC第6戦の決勝レースは、朝から雨に見舞われる中、11時にスタートを切った。セーフティカーの先導で始まったレースは、雨脚が弱まった11時半頃にセーフティカーが退き、本格的なレースがスタート。

トヨタTS040 HYBRID 1号車は中嶋一貴が5番手から、2号車のアレックス・ブルツは6番手からスタートたが、グリーンフラッグが振られると同時に中嶋は好ダッシュを決め3位へとポジションアップし、ブルツは4位へと上がった。

中嶋はスタートから強靱な意志で上位を狙い、ポルシェ17号車と手に汗を握る激しい接戦を繰り返した。レース序盤の最高の見所がこの中嶋とポルシェの戦いだったといえるだろう。しかし、レースが1時間を経過する頃、残念ながらポルシェの後塵を拝し4位に後退した。

最初のピットストップで1号車は5位に後退したが、雨脚が弱くなると中嶋から交替したアンソニー・デビッドソンがペースを上げ、4位のアウディ8号車に迫り、悪コンディションでのTS040 HYBRIDの強さを見せつけた。コースが乾き始めると、2台は揃ってミシュランのハイブリッド・インターミディエイトタイヤに履き替えたが、その直後に2つのアクシデントが襲いかかってしまう。

ひとつはステファン・サラザンの2号車がGTクラスの車と接触したことだった。この接触でTS040 HYBRIDのボディ右サイドに搭載されている冷却システムにダメージを負い、その修理に13分を費やしたのだ。サラザンからマイク・コンウェイに代わってレースに復帰した時には、首位から12周遅れの19位に後退していた。ふたつめは、1号車のデビッドソンがピットに入る際にピットレーン進入路で白線を踏み、ドライブスルーペナルティを受けてしまったことだ。

レースは3分の2を消化した頃からコース上の走行ラインが乾き始め、2台のTS040 HYBRIDはドライタイヤに交換、ブエミの乗る1号車は5位を堅持。2号車のコンウェイは果敢な追い上げの結果、8位まで順位を上げていた。そして、最後のスティントでは1号車がブエミから中嶋に、2号車はコンウェイからブルツに代わり、それぞれ5位、6位で6時間レースを終えた。

第6戦を終え、トヨタはマニュファクチャラーズ選手権で3位

富士6時間レースを終えた結果、トヨタはマニュファクチャラーズ選手権で3位に付けている。

今シーズンのレースは上海、バーレーンの残り2戦。トヨタにとって苦しい戦いが続くが、2016年での復活を賭けて1戦たりとも手を抜かない戦いへと臨む。

各コメント

▽佐藤俊男 チーム代表

「天候にも助けられ、最近のレースより向上した我々の戦闘力を見て頂くことが出来ました。ウェット路面での競争力の高さを示せたことは励みにもなります。しかし、いくつかの要因によりこれを上手く活かせず、ホームレースを良い結果で終えることが出来なかったのが残念です。今週我々を応援してくれた全てのファン、特にウェットコンディションにもかかわらずスタートから応援してくれたファンの皆様には本当に感謝しています。また、素晴らしいサポートで共に戦ってくれたトヨタの従業員の皆様にも感謝します。富士での連勝記録更新は出来ませんでしたが、来年は必ずもっと強くなって戻って来ます。」

【1号車】

▽アンソニー・デビッドソン

「今日は非常にトリッキーなコンディションでした。我々の使用しているミシュランタイヤの全ての能力を引き出し、限界まで使い切るのはドライバーにとっては非常に難しい挑戦でした。厳しいレースではありましたが、いくつか良い兆候もありましたし、ウェットコンディションでの好ペースを示すことが出来たのは励みとなりました。しかし、ホームコースで表彰台を獲得出来なかったのは残念です。」

▽セバスチャン・ブエミ

「残念な結果となってしまいました。ウェットコンディションではとても良い感触で、ライバルとの差は縮まったと思ったのですが、コースが乾くと共に差を広げられてしまったのは残念です。着実なレースを戦えましたし、今日は満足いくパフォーマンスを示せたと思います。来年こそは、昨年までのように勝利のトロフィを獲得するために戻って来たいと思っています。」

▽中嶋一貴

「予想通り、ウェット路面での我々はより競争力がありました。レース序盤、ポルシェとのバトルは楽しいものでしたが、直線スピードに勝る彼らの前を走り続けるのは難しかったです。私のピットストップまで、何とか1台のポルシェの前を走り続けることができ、エキサイティングでした。ピットストップ後は、ライバル達が少し速いという状態でした。少なくとも我々のスピリットはファンのみならず多くの人にお見せすることが出来たと思います。もちろんこれからも我々は全力で戦い続けます。」

【2号車】

▽アレックス・ブルツ

「はじめにいつも応援してくれるファンの皆様へ感謝の言葉を贈りたいと思います。本当に素晴らしい最高のファンです。私のプロレースドライバーとしてのキャリアは20年になりますが、今でも日本のファンに再会出来るのが嬉しいです。ファンにとっては生憎の悪天候となってしまいましたが、その反面、このコンディションのおかげで面白いレースが見られたのではないでしょうか。我々のTS040 HYBRID #2号車は、ステファンがドライブしている時にGTクラスの車に接触され、上位争いから脱落することになってしまったことが残念です。」

▽ステファン・サラザン

「我々のTS040 HYBRIDには少々厳しいレースでした。ウェット路面ではフロントのグリップ不足に悩まされ、必要な速度を維持するのは困難でした。GTクラスの車に追突されたため、その修復にとても時間を費やしてしまいました。その上、ハイブリッド・インターミディエイトタイヤへの交換後にまた雨が降り出し、再度レインタイヤに履き替えるためにタイムをロスしました。このような状況でも時には上手く行き、また時にはそうでないことがありました。こういう経験からも、常に学び続けなければならないと思います。」

▽マイク・コンウェイ

「難しいコンディションの一日でした。溝無しのハイブリッド・インターミディエイトタイヤを使いこなすのは非常に大変で、ドライタイヤに交換するまで、我慢の走りを強いられました。その後、終盤に向けて調子は上向いて行き、最後はライバルと比較しても悪くないペースだったと思います。残りの2戦でもプッシュを続けますので見ていてください。」

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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