【スーパーフォーミュラ2015】トヨタ1-2フィニッシュ!ロッテラー独走で開幕戦を制す!

小林可夢偉12年ぶりの国内レース参戦

スーパーフォーミュラ【2015】第1戦・鈴鹿
スーパーフォーミュラ【2015】第1戦・鈴鹿スーパーフォーミュラ【2015】第1戦・鈴鹿

4月18日(土)と19日(日)の両日、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラの開幕戦「鈴鹿2&4レース」が開催され、予選3番手から抜群のスタートを切ったアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)が独走で優勝。同じく5番手スタートからジャンプアップした中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)が2位で続き、トヨタRI4Aエンジンが2年目の開幕戦を1-2フィニッシュで飾った。

昨年、エンジン・シャシー共に一新し、「ライト&クイック」なトップフォーミュラとして生まれ変わった全日本選手権スーパーフォーミュラ。日本独自の「NRE」規定で開発された直列4気筒2リッター直噴ターボに、これも日本独自の燃料流量を制限するリストリクターを組み合わせた新エンジンと新シャシーとの組み合わせによる1年目のスーパーフォーミュラは、ハイレベルなドライバーによる、極限の迫力あるバトルでファンを魅了した。

昨年は開幕から速さを見せたトヨタエンジンが、全7戦9レース中8勝とシリーズを席巻。最終戦までトヨタドライバー同士での僅差のタイトル争いを繰り広げ、中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)が自身2度目となるシリーズチャンピオンを獲得した。

トヨタはチャンピオンエンジンである「RI4A」で2015年シリーズに挑む!

2年目となる今年は、エンジン・シャシー共に更なる熟成が進められると予想されるが、トヨタは6チーム11台にチャンピオンエンジンである「RI4A」を供給。タイトル防衛を目指す。

今季のスーパーフォーミュラにも、世界トップレベルのドライバーが数多く参戦する。中でも、最も注目を集めているのが、TDPからステップアップを果たし、昨年までF1に参戦していた小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)の12年ぶりの国内レース参戦。事前テストでも速さを示した小林が、TDPでの同世代ドライバーである中嶋一貴や、チャンピオン経験者のアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL)らとどのようなバトルを見せてくれるか、ファンの期待も高く、多くの観客を集めての開幕戦となった。

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予選 18日(土)

予選日は朝から好天に恵まれ、午前9時より行われたフリー走行では、中嶋一貴がトップから僅差の2番手、小林が3番手で続き、予選、決勝への期待が高まった。

午後1時50分、気温19度、路面温度31度、やや冷たい風が強めに吹いているというコンディションで、20分間の予選Q1がスタート。セッション開始と共にまず全車コースインし、10分ほどの走行後一旦ピットへ。残り6分程となったところで、再び全車コースへ向かい、アタックが開始された。

アウトラップの翌周、1周タイヤを温め、残り2分程になると次々にタイムが塗り替えられていった。Q2進出への当落線である14番手前後は大変な僅差の争いに。TDPドライバーでもある期待の若手、平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)は、11番手から僅か0.1秒落ちのタイムながら、15番手に留まり痛恨のQ1敗退。今季初のフル参戦となったアンドレア・カルダレッリ(LENOVO TEAM IMPUL)もタイムが伸びず16番手。ルーキーのウィリアム・ブラー(KONDO RACING)と2年目の中山雄一(KCMG)が18、19番手でグリッド確定となった。

スーパーフォーミュラ【2015】第1戦・鈴鹿

10分間のインターバルを経て開始されたQ2(7分間)でも、上位13台が1秒以内という僅差の争いが続くこととなった。このセッションでは、今季12年ぶりの国内復帰で注目の小林に、サスペンション関係の部品の不具合が発生し、思うようにタイムを伸ばせず、10番手でQ2敗退。ジェームス・ロシター(KONDO RACING)が9番手でこちらもQ3進出を果たせず。

Q3も7分間のセッションとして開始されたが、全車がアタックに入った残り2分、セクター1で好タイムをマークしていた国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)がデグナーカーブ2つめの立ち上がりでコースオフし、スポンジバリアにクラッシュ。国本は無事だったが、車両排除のためセッションは赤旗中断。予選Q3は残り3分で仕切り直されることとなった。

アウトラップの翌周、1発アタックとなった予選Q3、先頭でコースインした中嶋一貴がまず好タイムをマーク。その直後につけていた石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)がこれを0.02秒上回ると、ロッテラーがこの石浦のタイムを0.003秒という僅差でかわし、このロッテラーのタイムがトヨタ勢最上位の3番手に。石浦、中嶋一貴と続き、6番手にオリベイラ。トヨタ勢は2列目、3列目を占めて明日の決勝レースをスタートすることとなった。

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決勝 19日(日)

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決勝日は朝方雨に見舞われ、午前9時5分からのフリー走行はウェットコンディション。しかし、その後路面は乾いていき、決勝前にはドライコンディションに。しかし、空には雲が立ちこめる微妙な状況でのスタートを迎えた。

午後3時にフォーメーションラップが開始され、43周の決勝レースのスタートが切られた。3番手グリッドのロッテラー、5番手グリッドの中嶋一貴が抜群のスタートダッシュを決め、1コーナーまでに一気に1-2位に浮上。これに、4番手スタートの石浦が3位で続いた。

石浦は山本尚貴(TEAM 無限)の猛追を受け、オーバーテイクシステムを共に使い合いながらの、序盤からの激しいバトルを展開。しかし、惜しくもかわされ4位に後退。その間に、首位のロッテラーは2位中嶋一貴との差も広げていき、盤石の首位独走態勢となった。

中嶋一貴は、石浦をかわした山本に追われることとなったが、その差を1秒前後でコントロール。トップ3台はこの順位と間隔のまま周回を重ねていくこととなった。

一方、注目の小林は10番手スタートだったが、直前8番手の国本がスタートでエンジンストール。この影響もあり小林は12位までポジションダウン。中団グループでの混戦を避けるべく、燃料的にぎりぎりのタイミングである9周目に早くもピットへ。タイヤ交換と給油を行い、単独走行での追い上げを狙った。

翌周、予選で16番手と振るわなかったカルダレッリも同様の作戦でピットイン。こちらはタイヤを交換せず、給油のみで小林の前でコースに復帰した。小林はカルダレッリに前をふさがれる形となり、フレッシュエアでのクリアラップを狙った作戦は奏功せず。ポジションアップは果たせなかった。

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中盤戦は大きな動きはなく、折り返しを過ぎた27周目、13位を走行していた国本がピットインし、ここで給油の際に出火。火はすぐに消し止められたものの、国本は大きくタイムをロスすることとなってしまった。

29周目終了時に、2位走行中の中嶋一貴がピットイン。翌周、中嶋一貴を追っていた山本もピットへ向かったが、中嶋一貴は素早いピット作業にも助けられ、山本の前でポジションをキープ。その翌周にはロッテラーもピットイン。盤石のピット作業で全車がピットを終えた時点で、再びロッテラーが2位中嶋一貴に7秒程の大差をつけて首位に立った。

ピット戦略で、最後まで引っ張る作戦を採ったのがロシター。前半戦はオリベイラに4秒ほどの差をつけられての7位を走行していたが、ピット戦略が奏功し、タイヤ無交換作戦を採ったこともあり、オリベイラの前でピットアウトすることに成功。

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終盤戦は、ロシターをテール・トゥ・ノーズで攻めるオリベイラ、そしてこのバトルに追いついた石浦の3台による5位争いが白熱。残り2周となった42周目、バックストレートで共にオーバーテイクシステムを使ってのバトルから、シケインでの勝負を賭けたオリベイラだったが、2台は接触。ロシターがコースオフするも順位は変わらず、ファイナルラップでの争いになるかと思われた。

しかし、ファイナルラップに更なるドラマが。好走を見せていたロシターが突然スローダウン。痛恨の燃料切れによりコース脇に車両を停めることに。このファイナルラップでは、中嶋一貴と2位を争っていた山本もトラブルでストップする波乱の幕切れとなった。

一方で、首位のロッテラーは大差をつけての余裕の独走チェッカー。中嶋一貴が2位で続き、2年目を迎えたトヨタ「RI4A」エンジンは開幕戦を1-2フィニッシュで飾った。

山本のリタイヤによりオリベイラが4位、石浦が5位フィニッシュ。小林は9位でチェッカーを受けた。

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アンドレ・ロッテラー選手のコメント(PETRONAS TEAM TOM’S 2号車)

「今日は嬉しい一日となった。チームメイトと共に1-2フィニッシュ出来て最高だ。チーム力による成果だ。常に勝てている訳ではないが、持っているチーム力がこういう時に現れるんだと思う。スタートがキーポイントだった。首位に立ててからはプッシュし続けた。僕のレースとして見れば、展開はシンプルだったが、簡単なレースではなかった。良いクルマを仕上げてくれたからこそ結果がついて来たと思っており、チームに感謝している」

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中嶋 一貴選手のコメント(PETRONAS TEAM TOM’S 1号車)

「スタートが一番のキーだと言うことは、重々承知していた。結果的には、スタートは上手く行って良かった。頭の中では、スタートでアンドレを抜く予定だったのだが。2台で前に出る事が出来たが、後ろについたライバルが速く、基本的にずっと後ろを気にしながら走る状況できつかった。出来れば前を追いかけたかった。セクター3では自分の方が速かったので、スプーンなどでミスさえしなければ抜かれることはないと思っていたが、ラスト1周まで気が抜けなかった。今後の課題だと思っている」

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リザルト

(1)#2 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)

(2)#1 中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)

(3)#41 ナレイン・カーティケヤン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

(4)#19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL )

(5)#38 石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)

(6)#64 中嶋 大祐(NAKAJIMA RACING)

(7)#11 伊沢 拓也(REAL RACING)

(8)#40 野尻 智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

(9)#8 小林 可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)

(10)#65 ベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING)

(11)#20 アンドレア・カルダレッリ(LENOVO TEAM IMPUL )

(12)#7 平川 亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)

(13)#18 中山 雄一(KCMG)

(14)#4 ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)

(15)#16 山本 尚貴(TEAM 無限)

(16)#3 ジェームス・ロシター(KONDO RACING)

(17)#39 国本 雄資(P.MU/CERUMO・INGING)

(-)#34 小暮 卓史(DRAGO CORSE)

(-)#10 塚越 広大(REAL RACING)

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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