2012年度グッドデザイン賞ベスト100に、トヨタ ポルテ/スペイド、スバル インプレッサ XV、ホンダ「N」シリーズなど多数受賞

2012年10月1日、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する総合的なデザインの推奨制度「グッドデザイン賞」の、2012年度のグッドデザイン・ベスト100が発表された。

「グッドデザイン賞」は、家電やクルマなどの工業製品から、住宅や建築物、各種のサービスやソフトウェア、パブリックリレーションや地域づくりなどのコミュニケーション、ビジネスモデルや研究開発など、有形無形を問わず、人によって生み出されるあらゆるものや活動を対象としている。今年度は、これまでになかった取り組みとして「インタラクション」と「仕組み」という視点に立った特別な審査を実施。

そんな中、移動のための機器・設備の分野において、トヨタ ポルテ/スペイド、トヨタ車体株式会社 超小型電気自動車 コムス(ピーコム、ビーコム)、スバル、インプレッサ XV、ホンダ「N」シリーズ、アイシン精機株式会社 ドアスタビライザー、ブリヂストン ECOPIA EP001S(エコピア イーピーゼロゼロワンエス)が、グッドデザインベスト100に選ばれた。また、グッドデザイン・ロングライフデザイン賞には、ヤマハ発動機株式会社 SR400が選ばれている。

グッドデザイン・ベスト100は、今年度のすべてのグッドデザイン賞受賞対象の中で特に高い評価を得た対象の総称で、今後決定されるグッドデザイン金賞をはじめとする特別賞各賞の候補となっている。

また、2012年度グッドデザイン賞全受賞対象を出展する「グッドデザインエキシビション2012」を、11月23日~11月25日までの期間、東京ビッグサイトで開催する。

グッドデザイン賞ウェブサイト:http://www.g-mark.org/

各受賞モデルの審査委員の評価

トヨタ ポルテ/スペイド

【グッドデザインベスト100】

トヨタ ポルテ/スペイド

2003年にGマークユニバーサルデザイン賞を受賞したラウムの思想を引き継ぎ、幅広いユーザーの能力に対応する機能とデザインを磨いてきた貴重なモデル。今回は右側リアドアの追加や、新たな価値を追加したインパネ、美しく親しみやすいボデーデザインなど、大幅な改善が加えられると共に、派生モデルの追加でユーザーの趣向多様化にも対応するなど、よりユニバーサル度を高めた内容となっている。シニア世代や子どもたち、生活弱者を含めた幅広いユーザーに、移動の楽しさを提供する健康的で前向きなデザインとして高く評価したい。

トヨタ車体株式会社 超小型電気自動車 コムス(ピーコム、ビーコム)

トヨタ車体株式会社 超小型電気自動車 コムス(ピーコム、ビーコム)

自然環境や人々の日常生活への負担を軽減する小型モビリティーの提案であり、様々のユーザーが日常生活やビジネスシーンで無理なく運転を楽しめるメッセージが伝わってくる。今後さらに改良され、広く普及が進むことで、モーターサイクルと軽自動車の間に位置する新たなジャンルとして、モビリティーと人との新しい関係を都市の中に構築することを期待したい。

スバル インプレッサ XV

スバル、インプレッサ XV

クルマ本来の価値の一つである「走る愉しさ」を、分かり易く魅力あるデザインで表現している。派生機種ながら、専用のデザイン処理や大径タイヤによって、基本ボデーのシャープで安定感のある造形とのバランスが一層際立ち、高い商品性につながっている。スバルブランドの魅力をアピールするデザインとして評価したい。

ホンダ「N」シリーズ

ホンダ「N」シリーズ

日常生活の足である軽自動車に求められる要素を分析しシリーズとして展開した企画力と、それを具現化した技術力/デザイン力を共に評価したい。特に燃料タンクを前方に移動させることで深さを増したラゲッジスペースは、積載量の増加につながるだけでなく、重量物や自転車、車いす等の大型機器の積載性向上にも対応し、様々なユーザーの幅広い使用を考慮した、すぐれたユニバーサルデザインと言える。その他ユーティリーティーの高さが一見して伝わる外観には安定感ある造形処理も表現され、新たなアウトサイドミラーの機能などと合わせて、ミニカーならではの配慮が行き届いたデザインとなっている。

アイシン精機株式会社 ドアスタビライザー

アイシン精機株式会社 ドアスタビライザー

近年、自動車本来の楽しみである「走り」に注目が集まっているが、車両に後付けで装着することで車体全体の剛性を高め、手軽に操縦性を高めることのできる興味深い提案である。車体構造やドアロックの技術に精通した提案者の中から生まれた「小さな部品が生み出す大きな力」を評価したい。

株式会社ブリヂストン ラジアルタイヤ ECOPIA EP001S(エコピア イーピーゼロゼロワンエス)

ブリヂストン ECOPIA EP001S(エコピア イーピーゼロゼロワンエス)

環境対応としての低燃費性能と、ウェットグリップ性能という安全性の両立は、本来相反する技術的難題であるが、マクロ設計のトレッドパターンデザインと、ミクロ設計であるゴム分子レベルの超微細原材料技術との融合により、業界で初めて国内ラベリング制度の最高グレードを同時獲得したその品質を評価。また、これら製品のための環境負荷低減に配慮した一連の研究成果について、自然と共生した自家農園をつくることから始まり、資源を大切にしながら素材の質を高めるという一連の企画設計開発体制とともに評価する。

担当審査委員| 福田哲夫(ユニット長)櫛勝彦 羽藤英二 原研哉 吉村等

ヤマハ発動機株式会社 SR400

グッドデザイン・ロングライフデザイン賞

ヤマハ発動機株式会社 SR400

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