新型フェアレディZはRZ34型で数字自体は変わっていない! 型式を変えなかったのは車両価格を抑えるためだった

  • 筆者: 工藤 貴宏
  • カメラマン:佐藤 正巳/日産自動車
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2022年1月に開催された東京オートサロン2022で日本仕様が公開された新型フェアレディZ。これまでの記事でも触れているように、筆者である工藤貴宏さん自身も自動車ライターというよりひとりのクルマ好きとして注目している、つまり本気で欲しいと思っている車種である。

東京オートサロン2022で実車をチェックし、そこで確認できたことを踏まえて今回は、前回とは打って変わって新型フェアレディZに関して「変わっていない部分」をお伝えしよう。

目次[開く][閉じる]
  1. ボディの基本設計は同じ! デザインは違うがホイールベースは2550mmで共通だ
  2. 新型フェアレディZはRZ34! 数字自体はZ34を引き継いでいる
  3. モデルチェンジと型式変更の基準は違う! 新型フェアレディZはモデルチェンジの範囲内に収まっている

ボディの基本設計は同じ! デザインは違うがホイールベースは2550mmで共通だ

従来モデルから継承されている部分といえば、まずはボディの基本設計だ。新型と従来型を比較してみると前後デザインは大きく異なるが、2550mmとホイールベースが共通なこと、そして真横から見た時のフロントウィンドウとルーフ、リアウィンドウのライン(各ピラーの角度)などが同一であることがそれを物語っている。

室内を見ると、まずシートは表皮以外は従来から受け継いでいるのがわかる。インサイドドアハンドルなども変わっておらず、パワーウィンドウスイッチのレイアウトなどからも考えてドアの内部構造は共通だろう。

また、パーキングブレーキは電動ではなくコンベンショナルなサイドレバー式。ただしこれは「なぜ電動ではないのか?」という話ではなく、サイドターンやドリフトのきっかけとして使えるのだからスポーツカーとしては魅力ある方式だと考えるべきだろう。

使い勝手でいえば、ラゲッジルームの環境も実車を見る限りは従来同様と思われる。

新型フェアレディZはRZ34! 数字自体はZ34を引き継いでいる

そして、従来から変わっていないものの代表と言えば「型式」だろう。ここ数世代のモデルを見ると「Z32」「Z33」「Z34」とフルモデルチェンジのたびに数字が増えてきたが、新型の「RZ34」で数字自体は変わっていない。これが“新型はマイナーチェンジ”と呼ばれる所以だ。

型式の数字が変わっていないことに対して「プラットフォームや車体骨格の基本構造が変わっていないから」という声もある。しかし、トヨタ GR86やスバル BRZのようにそれらが変わっていなくてもモデルチェンジとして型式が変更されるケースもあるので、それは的を射た答えとは言えない。

では理由はどこにあるのか。結論からいうと、それは車両価格を抑えるためである。

型式を取り直すのには膨大な書類の作成や(安全を確認するためではなく認可のために求められる)幾度もの(とても高額な)試作車の衝突テストなど億単位という膨大な費用が掛かる。フェアレディZの販売規模で考えると、1台あたりの負担額も小さくない。そこで、型式を継承することで型式取得費用を抑え、販売価格を抑えようという考えなのだ。

ただし先代モデルが「Z34」だったのに対して、新型が「RZ34」とアルファベットが増えている(S13型シルビアが後期型になると“PS13”になったような感覚だ)。今後は従来モデルと新型の区別として、従来モデルが「Z34」、新型は「RZ34」と呼ばれることになるのではないだろうか。

モデルチェンジと型式変更の基準は違う! 新型フェアレディZはモデルチェンジの範囲内に収まっている

余談だが「モデルチェンジ」と「型式変更」は別の基準であり(前者はメーカーの分類、後者は国土交通省の認定)、変更内容が基準から逸脱しなければ新たなる型式を取得する必要がない。新型フェアレディZの変更内容はその基準に収まっているわけだ。

また、メルセデス・ベンツ Gクラスの現行型は従来型と同じ部品がドアノブなど3つしかないほど全面的に設計が変わったにもかかわらず、型式は「W463」と従来型から継承している。それを考えると型式変更をしなくて済む範囲というのは相当広いのだろう。

従来型を継承するとされる新型フェアレディZのシャシーも、実は構成部品の約8割が新しくなっているという。

約700万円ものプライスタグがつけられた新型フェアレディZ。前回から触れてきたように新技術をこれほど盛り込まれていることを踏まえると、妥当な価格設定になっているといえるだろう。正式発売が楽しみだ。

【筆者:工藤 貴宏 カメラマン:佐藤 正巳/日産自動車】

日産/フェアレディZ
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新車価格:
539.9万円920万円
中古価格:
46万円3,340万円

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工藤 貴宏
筆者工藤 貴宏

クルマ好きが高じて在学中から自動車メディア業界に足を踏み入れ、気が付けば四半世紀。自動車雑誌編集者から編集プロダクション勤務を経てフリーランスの自動車ライターとして独立。自動車関連の雑誌やウェブで活躍している。モットーは「そのクルマは誰を幸せにするのか」。使い勝手などユーザー目線の記事を得意とする。永遠のスポーツカー好きで愛車はフランス製のホットハッチとディーゼルエンジンを積んだSUV。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。記事一覧を見る

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