ホンダ CR-Z 実燃費レビュー【総評編】(1/2)
- 筆者： 金子 浩久
- カメラマン：オートックワン編集部
長距離を走行して感じた2つの長所
CR-Zで、東京から秩父と勝沼を回って来て、うれしい結論をふたつ得ることができた。
ひとつは、スポーティクーペにふさわしい手応え十分なハンドリングと、安定感たっぷりの走行感だ。同じホンダのインサイトに限らず、ハイブリッドカーの中には走りっぷりが少し頼りないものもある。
燃費の数字を優先するために、細いタイヤを履いたり、サスペンションのセッティングが転がり抵抗の小さなものにされていたりすることが作用しているのだろう。安定性や手応えよりも、すべてが燃費の数字の向上のために捧げられているからだ。
しかし、CR-Zにはそれがない。
もちろん、CR-Zだって燃費値を向上させるための工夫は重ねられているのだろうが、これまでのハイブリッドカーのような頼りなさがない。それでいて、燃費の数字もいい。
2ドアクーペだから、インサイトなどの4ドアに較べて重量面で有利だという事情を考慮しても、走りっぷりを思い出せば、たいへん優秀な数字だと思う。
走りっぷりと燃費が高いレベルで両立しているのが、CR-Zの二大長所だ。このふたつには、疑いがない。
もうひとつ、現実的な価格で購入できる、日本車では久しぶりのクーペの登場というのもうれしい。
つい先頃も、日本車で唯一残っていたレクサスSCという2ドアクーペカブリオレの生産中止が発表されたばかりだったので、CR-Zの登場は喜ばしい。
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モータリングライター 1961年東京生まれ。 自動車と自動車に関わる人間について執筆活動を行う。主な著書に、『10年10万キロストーリー』（１～４）、『セナと日本人』、『地球自動車旅行』、『ニッポン・ミニ・ストーリー』、『レクサスのジレンマ』、『力説自動車』など。記事一覧を見る
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