三菱 eKアクティブ 試乗レポート
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:難波賢二
渦中の三菱が出した再建への第一歩「eKアクティブ」
リコール問題で揺れる三菱自動車だが、改めてユーザーの信頼を回復するにはいいクルマを出し続けていくしかない。そんな中で登場してきたeKアクティブは、テレビCMを流せば反省が足りないなどと言われる状況で、周囲の環境はまだ十分には整っていないが、再建のためにはクルマを出さないわけにはいかない。eKワゴンに始まるeKシリーズの中で、eKスポーツ、eKクラッシィに次ぐ4番目のモデルとして登場したeKアクティブは、やや高めのロードクリアランスを確保することで、SUV感覚のモデルに仕上げた1台だ。外観デザインもボディ下部をツートーンに塗り分けることで、SUV的な感覚を表現している。搭載エンジンは3気筒12バルブSOHCの自然吸気仕様とターボ仕様の2機種。駆動方式はFFと4WDが用意されているが、トランスミッションは全車とも4速ATのみの設定で、比較的シンプルなバリエーションとなる。グレードはスペシャルカラーが用意されるので、全部で8グレードの構成となる。
SUV感覚が際立つデザイン
最初に発売されたeKワゴンがシンプルな感じの外観デザインを採用していたのに対し、eKスポーツはエアロパーツを装着し、eKクラッシィはクラシカルな外観で差別化をはかってきたが、今回のeKアクティブもツートーン塗装やルーフレールの設定によって、SUV感覚が際立つ外観デザインに仕上げている。アンダーカバーをイメージしたバンパー下部のパネルなども、そうしたデザインテイストを強調したものだ。全体に力強い感じの外観デザインに仕上げてられた。メーターをインパネのセンターに配置したインテリアデザインは、eKシリーズに共通のものだが、スピードメーターがデジタル式となり、大きなタコメーターを設定するなど、ややスポーティなの正面の位置に証明付きのeKアクティブのロゴが用意されるなど、遊び心を感じさせる部分もある。室内の各部にさまざまな収納スペースが確保されているのもeKシリーズに共通のポイントとなる。
エンジンは余裕十分。最低地上高を生かし、荒れた路面もOK。
ターボ仕様のエンジンは、eKスポーツに搭載されていたのと同じもの。三菱ではかつて、ダンガンに5バルブのDOHCエンジンを搭載していたが、eKシリーズのターボは比較的平凡なSOHCターボ。ただ、パワーは軽自動車の上限である64ps(47kw)に達しており、実際に走らせると余裕十分という印象だ。低速域でのトルクはそれなりに確保されているし、エンジンを回したときのパワーの伸びもまずまず。高回転域まで回して楽しむタイプのエンジンではないが、中低速域から高速まで気持の良いパワーフィールが味わえる。4速ATとのマッチングも上々で、ショックの少ない滑らかな走りが可能だ。SUV感覚のモデルということで、165mmというやや高めの最低地上高のため、コーナーではロール感を感じるが、アイポイントが高い割には不安感の少ない走りが可能。操縦安定性のレベルも高い。最低地上高を生かして荒れた路面などにも入りやすいのが魅力となる。
三菱を取り巻く環境は厳しいが、デキは決して悪くない。
三菱自動車を取り巻く環境はまだまだ厳しい状態で、一般のユーザーが積極的に三菱車を買おうとする例は少ない状態だが、このeKアクティブのデキは決して悪くない。やや高めのシート高となる分だけ乗降性にも優れるし、高めのアイポイントが開けた視界を約束してくれるので運転がしやすい。軽自動車のボディなので最小回転半径が4.6mと小さいことも運転のしやすさにつながっている。ちょっと個性的なSUV感覚の軽自動車としてお勧めできるクルマである。ただ価格設定はかつてのeKワゴンが割安感を訴求していたのに比べるとやや高めの印象だ。ターボの4WD車では150万円近い価格だから、セカンドカー、サードカー的な使い方ではなく、ファーストカーとして乗るユーザー向きのクルマだろう。最低地上高が確保されているので、ときどきは路外にまで出るような、釣りなどのアウトドアレジャーを楽しむユーザーにも、お勧めできるクルマである。
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