三菱 新型エクリプスクロス最新情報|2018年3月発売!価格は280万円前後か、SUVクーペを徹底解説

三菱 新型エクリプスクロスは2018年3月発売予定

「第45回東京モーターショー2017」を含めて、三菱 エクリプスクロスはいろいろな場面で披露されている。正式な発売は2018年3月だが、プロトタイプ(試作車)を試乗したのでその印象をお伝えしたい。

三菱 エクリプスクロス|市販化間近!スタイリッシュなSUVクーペでブランド復活の狼煙を上げる【東京モーターショー2017】

プラットフォームはアウトランダーがベース

プラットフォームは三菱 アウトランダーと共通だが、外観は少しスポーティで、リアゲートを寝かせることにより5ドアクーペ風に仕上げた。BMW X4などと同様の"SUVクーペ"路線だ。エンジンは直列4気筒1.5リッターターボを搭載する。

ボディサイズは全長が4405mm、全幅が1805mm、全高が1685mmだから、アウトランダーに比べると290mm短く、25mm背が低い。全幅はほぼ同じだ。

ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2670mmでアウトランダーと等しいから、エクリプスクロスでは、全長が短い分だけボディ前後の張り出しが抑えられた。4輪がボディの四隅に配置され、視覚的な安定感も高い。ただし最小回転半径は5.4mだから、アウトランダーの5.3mよりも若干大回りになる。

三菱 新型エクリプスクロスとアウトランダーPHEVのボディサイズ比較
新型エクリプスクロスアウトランダーPHEV

全長

4,405mm

4,695mm

全幅(車幅)

1,805mm

1,800mm

全高(車高)

1,685mm

1,710mm

ホイールベース

2,670mm

2,670mm

意外にも真後ろは見やすいから車庫入れはラク

また取りまわし性には視界も影響する。エクリプスクロスの場合、前方視界はおおむね良いが、斜め後方の視界は悪い。外観に躍動感を与える目的でサイドウインドウの下端を後ろに向けて持ち上げ、ボディ後端のピラーも太いからだ。

工夫したのは真後ろで、リアウインドウが上下に二分割されるものの、縦方向の寸法に余裕を持たせた。従って外観から想像されるよりは、縦列駐車や車庫入れがしやすい。

エンジンは1.5リッターガソリンターボを搭載

エンジンラインアップは直列4気筒1.5リッターターボのみで、1500回転付近から十分な駆動力が発揮され、直線的に速度を高めていく。4000回転を超えた領域で吹き上がりが少し活発になるが、基本的にはターボの特性を抑えた自然吸気エンジンに近い扱いやすい性格だ。

最高出力は120kW(163馬力/5500回転)、最大トルクは250Nm(25.5kgf・m/1800~4500回転)とされ、自然吸気エンジンであれば2.5リッタークラスに相当する。

トランスミッションはCVT(無段変速AT)だが、有段式に似たステップ変速を行う。アクセルペダルを深く踏み込むと、エンジン回転は4500回転と5500回転の間を上下しながら速度を高めて行く。これと併せてパドルシフトによって8速の疑似変速も行える。

これらは流行のAT制御だが、CVTのメリットは、加速時でも巡航時でも常に効率の優れた回転域を使えることだ。パドルシフトで8速の疑似変速が可能なら、Dレンジでのフル加速におけるステップ制御は不要だろう。それよりも加速力が最も優れた回転域を維持できる方が、ユーザーのメリットは大きく安全性も向上する。ノイズは特に静かではないが、音質は耳障りに感じない。振動も抑えられて不満はない。

新型エクリプスクロスのJC08モード燃費は15.0km/L

こちらは登録前の情報なので変更の可能性があるのだが、新型エクリプスクロスのJC08モード燃費は、2WDで15.0km/L、4WDで14.0km/Lと発表されている。

新型エクリプスクロスの内装は上質感が漂う

インパネの造りは上質で、上面部分にはソフトパッドを使う。メッキパーツの配置も巧みだ。しかも形状が繁雑ではなく、シンプルで立体的に仕上げたから視認性や操作性も良い。

インパネの中央にはスマートフォンと連携できるディスプレイオーディオが備わり、ATレバーの脇にはパッドタイプのコントローラーも装着したため、直感的に操作できる。

室内空間は大人4人が乗っても十分快適な広さを確保

前席はサイズに余裕を持たせ、肩の周辺までしっかりとサポートする。座面は適度に柔軟で座り心地も馴染みやすい。座面の前側を持ち上げて腰が適度に落ち込み、背もたれの両側が回り込むからサポート性もおおむね良好だ。

後席は前席と同様に硬さが適度で快適だが、床と座面の間隔がかなり開いている。座った時に腰が落ち込まず足元空間も節約しやすいが、小柄な同乗者が座ると、大腿部を押された感覚になりそうだ。もう少し着座位置を下げて、座面の前方を持ち上げると腰も安定する。長身の同乗者を対象とした欧州車風のシートといえるだろう。

身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先空間は握りコブシ2つ分。これはSUVの平均水準だが、前述のように座面が高く設定され、なおかつ後席に座る乗員の足が前席の下に収まりやすいから、4名乗車時の居住性も優れている。

乗降性はSUVとしては床がさほど高まらず、おおむね良いが、後席側は開口部の上側が狭まった。後席に乗降する時の頭部の通過性はあまり良くない。

狭そうに見えるが荷室の積載性は十分

荷室はリアゲートに傾斜を設けたが、床面積は十分に確保される。後席には200mmの前後スライド機能が備わり、前方に寄せると床面積を拡大できる。前述のように後席の乗員の足が前席の下に収まりやすく、着座位置が高めで膝から先が前方に投げ出されにくいから、スライド位置を前寄りにしても窮屈には感じない。

そしてリアゲートが傾斜しているから、ヒンジが前寄りに備わり、開閉時に大きく後方へ張り出さない。縦列駐車をしているような時でも、比較的リアゲートを開閉しやすい。

新型エクリプスクロス、一番のウリは走行性能の高さ

走行安定性はエクリプスクロスの一番のウリだ。アウトランダーに比べると小さな舵角から車両の向きが正確に変わり、峠道のカーブを曲がる時でも旋回軌跡を拡大させにくい。見た目を裏切らないスポーティな印象に仕上がっている。

その分だけカーブを曲がる時にはボディの傾き方が拡大しやすい。旋回中にアクセルペダルを戻したりすると、後輪の横滑りを誘発させやすい面もあるが、挙動の変化が穏やかに進むため運転の難しい状態には陥りにくい。背の高いSUVでありながら、曲がりやすさと後輪の安定性を上手に調和させた。

このような挙動を実現できた背景には、S-AWCの働きもある。カーブを曲がる時には、必要に応じて旋回内側の前輪にブレーキを作動させ、車両を積極的に回り込ませるようにした。

テストコースには路面が濡れたカーブも用意され、あえてアクセルペダルを踏み込んで曲がっても、旋回軌跡が拡大しにくかった。4WDの効果もあって内側の前輪が空転することもなく、駆動力の伝達効率が優れている。

乗り心地は若干硬いが安心感がある

乗り心地は少し硬いが、粗さはなく快適性を損なわない。装着されていたタイやは18インチ(225/55R18)で、銘柄はトーヨー・プロクセスR44。指定空気圧は前後輪ともに240kPaであった。18インチサイズの装着を考えると、快適といえるだろう。

エクリプスクロスはフロントサスペンションの左右を結ぶストラットタワーバーなどの補強部品も装着して、前後のドアやリアゲートの開口部には構造用接着剤を使う。これらの効果的なボディ補強が走行安定性と乗り心地を向上させた。安定性が底上げされたのを受けて、パワーステアリングのギヤ比はアウトランダーよりも14%ほどクイックにしている。

新型エクリプスクロスの安全装備は現行ラインアップ中では最先端の性能

さらに安全装備も進化した。アウトランダーの場合、緊急自動ブレーキを作動させるセンサーは単眼カメラと赤外線レーザーで、作動速度の上限は時速80kmとなる。ミリ波レーダーは車間距離を自動制御できるクルーズコントロール専用だ。

それがエクリプスクロスでは、緊急自動ブレーキのセンサーにミリ波レーダーも使うから、作動速度の上限が高まる。歩行者の対応はアウトランダーも含めて可能だ。

またアウトランダーのクルーズコントロールは、今のところ全車速追従型ではあるが、追従停車後に約2秒を経過するとブレーキが解除されてしまう。これもエクリプスクロスでは改良され、電動パーキングブレーキが自動的に作動するようになる。

新型エクリプスクロスの価格は280万円前後に期待

このようにエクリプスクロスは、走行安定性と乗り心地のバランスが優れ、1.5リッターターボも扱いやすい。緊急自動ブレーキを作動できる安全装備もさらに進化する。

価格は未定だが、1.5リッターターボを搭載した4WD仕様の売れ筋グレードが、アウトランダー24Gセーフティパッケージ4WDの296万2440円を少し下まわる程度だろう。日産 エクストレイルやトヨタ C-HRの4WDが270~280万円に売れ筋グレードを用意するので、エクリプスクロスの安全装備を充実させた4WDが289万円くらいであれば、1.5リッターターボの搭載も考えると価格競争力が強まる。

変革の三菱、ユーザーの信頼回復が拡販の肝

またエクリプスクロスを本格的に拡販するなら、改めて品質管理が優れていることをユーザーに分かりやすく説明する必要がある。エクリプスクロスは運転の楽しいSUVだが、日本の自動車市場で必要不可欠な商品とはいえない。

マツダ CX-5、日産 エクストレイル、スバル フォレスターなどでも相応に満足できる。この中であえて三菱のエクリプスクロスを売るには、改めて信頼性を高める努力を行い、ユーザーの共感を得ることが不可欠になる。

三菱 新型エクリプスクロス(プロトタイプ)の主要スペック

三菱 新型エクリプスクロスの主要スペック
車種名エクリプスクロス(プロトタイプ)

グレード

未発表

未発表

駆動方式

2WD

4WD

トランスミッション

CVT

CVT

価格(税込)

未発表

未発表

JC08モード燃費

15.0km/L

14.0km/L

全長

4,405mm

4,405mm

全幅(車幅)

1,805mm

1,805mm

全高(車高)

1,685mm

1,685mm

ホイールベース

2,670mm

2,670mm

乗車定員

5人

5人

車両重量(車重)

1460~1480kg

1530~1550kg

エンジン

4B40型

直噴MIVECインタークーラー付きターボ

4B40型

直噴MIVECインタークーラー付きターボ

排気量

1,498cc

1,498cc

エンジン最高出力

110kW(150PS)/5500rpm

110kW(150PS)/5500rpm

エンジン最大トルク

240N・m(24.5kgf・m)/2000~3500rpm

240N・m(24.5kgf・m)/2000~3500rpm

燃料

無鉛レギュラーガソリン

無鉛レギュラーガソリン

タンク容量

63L

60L

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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