三菱 デリカD5 新型車徹底解説 (画像No. 11 )

エクステリア
新型デリカD:5のエクステリアは、一見して「デリカ」とわかる存在感、そして高い走破性を有する「高機動」なクルマをイメージしてデザイン。「デリカスターワゴン」を思わせるようなフロントマスクに緻密な創り込みをしたヘッドライト、シンプルな直線基調のエクステリアの中にも力強いフェンダーデザイン、四角い面にリアコンビランプ＆リフレクターガーニッシュを配置した端正な後姿など、いつまでも飽きこないという従来からの「デリカ」のデザインアイデンティティを踏襲する。

デザインコンセプト
8人乗りオールラウンダーであるワンボックスタイプのミニバンとして、「高機動」を実現するために大きくグランドクリアランスを取り、クルマを浮かせたようにデザインしたというデリアD:5。機能的なデザインとして、フロントコーナー部分を削ぎ落とす事で取り回しにも配慮した計上としてあり、その結果、短く見えるオーバーハングは、大径タイヤの装着と相まって、大地に足を付けた安定感のある佇まいを見せている。また、飽きの来ないデザインを目指し、直線基調の丹精で誠実な形を追求。縦と横の線を使って、シンプルで力強いイメージ、かつ、張りのある面によりクリーンでモダンなイメージを加味。細部では、シンプルな全体形状の中に力強く緻密に作り込んだランプやグリルを盛り込むことで、上質さが表現されている。

フロントビュー
一文字に配置されたヘッドライトとグリルがワイドで安定感を感じさせるデリカD:5のフロントビュー。グリルは塊を削りだした様な力強い造形とし、「デリカ」や「パジェロ」で築いてきた三菱自動車伝統のオフロードイメージを表現しながらフロントエンドを引き締めている。ヘッドライトとグリルの下にガードバー風のデザインとすることで、SUVとしての逞しさが表現されている。フロントバンパーは、スキッドプレートをイメージし、大きなアプローチアングルを効果的にデザインに取り込んでいる。

リアビュー
スクエアな形状を張りのある面で構成したリアまわりのデザインは、高いグランドクリアランスと相まって、四角い箱が浮いたような独特の存在感をアピールする。さらに空力面もこだわり、デザインの初期段階からデザインーとエンジニアが風洞実験を繰り返し、テールゲートの落とし込み角度や角の丸みを適正化され、空気の剥離域が縮小されている。この結果「デリカD:5」は「デリカスペースギア」に対し、空気抵抗値(Cd)を15%低減している。

サイドビュー
居住空間の大きなワンボックタイプのミニバンでは鈍重なデザインになりがちだが、デリカD:5では高機動イメージを効果的に表現するよう工夫されている。ボディ側面は張りのある大きな面で構成されているが、グラフィックの組み合わせにより、シンプルながらも品質感を感じさせるデザインとなっている。堅牢をイメージし、サイドウインドウをボディ面から一段落落とし込み、ピラーからルーフレールまでを、立体感のある断面形状としている。また、頑丈さとミニバンとして求められる居住性を確保するため、サイドガラス面を立てたデザインとなっている。これにより、乗員の頭上空間を確保することによって圧迫感を低減し、どの席に座っても快適な室内空間を提供する。

インテリア
インテリアは、各ピラーからルーフガーニッシュにつながる環状骨格構成「リブボーングレーム」を強調し、乗員を包み込むような立体的で剛性感を感じさせる安心感の高さを表現したデザインとなっている。インテリアカラーは2タイプ。アクティブで機能美を追及したカラーと素材でコーディネイトされたダークグレーを基調としたものと、もう1つ（写真のタイプ）は、快適性と上質感を強めたプレミアム仕様のカラー＆素材でコーディネイトされたベージュを基調となっている。

フロントシート
「シートは座る」という基本性能の原点に返り開発。いずれもクラストップレベルのシートバックの高さと充分な厚みのシートクッションにより、快適なドライブを可能としている。

セカンドシート
いずれのシートも「しっかりと人が座れるシート」として開発。よって、このサードシートも他列シートと同様に、立体感のあるデザインとなっている。汚れプロテクト加工シート生地の採用により、ハードなアウトドアユースでの汚れや、子供の食べ残しなどにも、あまり気にせずに使える。

サードシート
セカンド/サードシートにロングスライド機構を採用することで、居住空間と荷室スペースを最適な状態に調整することが可能。あらゆる状態でも全席で余裕の膝前スペースを確保している。また、助手席側にあるレバー操作でサードシートに乗り込み易い状態になる、ウォークイン＆チップアップ機構が採用されている。

ラゲッジ
サードシートは左右独立の340mmロングスライド、横跳ね上げ機構を採用。充分な荷室空間と、大型ワンボックスタイプのミニバン並のサードシート足元スペースを確保している。

ヘッドライト
シンプルな全体形状の中に取り込まれた、力強く緻密に作り込んだランプやグリル。クルマの目として細心の注意を払ってデザインされたヘッドライトは、各ランプを適所に配置し、精悍でありながら、見る角度によって表情が変わる宝石のような効果も。また全車モデルでロアビームにディスチャージヘッドライトを標準装備。乗員・荷物の積載状況により光軸を適切な状態にたもつようオートヘッドライトレベリングが装備される。

メーター
ハイコントラストメーターは、文字・目盛りを白色にした読みやすい形状サイズ。細かく刻まれた目盛りは機械式時計のような精密感を表現。メーター周りにメッキ加飾を施し、エンジン始動時には指針や盤面照明が徐々に点灯する演出も。メーターの中央には燃費等を表示する液晶ディスプレイを設置。6ヶ国言語切り替え表示が可能となっている。

グローブボックス
上下2段式のグローブボックス。アッパーは容量が5.2Lあり、500mlペットボトルなら3本、コーヒー缶なら9本収納可能。エアコンの送風を利用した保冷/保温機能が付いている。また、アッパーの底面トレイは取り外し可能で、上下一体とすることも可能。2Lのペッドボトルが2本立てて収納できる12.7Lの大容量となる。

トリプルパノラマルーフ
トリプルパノラマルーフは、3列それぞれの頭上に設置される。フロント/サードシート用サンルーフは手動チルトアップ式、セカンドシート用は電動チルトアップ付のインナースライド式となっている。VOC低減の接着レス工法によるサンシェードを採用している。（メーカーオプション）

視界
ワンボックスタイプのミニバンは死角が多くなりがちだが、写真のような工夫もなされている。Aピラー部分に大型のフロントデルタガラスを採用。さらに、助手席側には大型のサイドアンダーミラーを装着し、視界確保につとめている。

エンジン
クラストップレベルの高性能、低燃費、軽量をコンセプトに、アウトランダーにも搭載している2.4L MIVEC DOHC16バルブ4気筒の4B12型エンジンを搭載。平成17年基準排出ガス75%低減レベルや平成22年度燃費基準+10%達成など、環境性能にも優れている。

シフトノブ
センターパネルは、機能を凝縮した高級オーディオのような高い質感をイメージ。シフトノブはマニュアルシフトを思わせる円筒形状とし、機能的で俊敏性の良い操作を期待させる。トランスミッションは、アウトランダーでも採用されているINVECS-III6速CVTが採用されている。ダイヤル式のドライブモード・セレクターで走行中でも2WD/4WDオート/4WDロックの切り換えが可能。

パドルシフト
ステアリングに手を添えたままシフト操作が可能なパドルシフトレバー。「D」または「Ds」レンジでパドルシフト操作すると、スポーツモードの状態に変更ができる。解除は、アップシフト用レバーを2秒以上長引きすることで解除することができる。さらに、「D」レンジで停車するとスポーツモードが解除されるが、「Ds」レンジでは解除しない。使い勝手が考慮された機能となっている。

タイヤ＆ホイール
「G」以上には225/85R18の大径タイヤと表面を光輝処理した7本スポークデザインの軽量・高剛性アルミホイールを標準装備。専用開発されたこのタイヤは、操縦安定性と乗り心地を向上。スタイリッシュな印象とともに充分なクリアランスを確保している。

リヤガーニッシュ
リヤガーニッシュは、リヤビューカメラやバックランナーレンズを立体的に構成することにより、今までにない緻密で質感の高いデザイン。縦と横の線を使ったシンプルで力強い張りのある面は、クリーンでモダンなイメージ。

フラットモード
休憩や車中泊に便利なフラットモードは、フロント-セカンド間、セカンド-サード間で可能となっている。

ロックフォードフォズゲートプレミアムサウンドシステム
アウトランダーで好評のロックフォードフォズゲートプレミアムサウンドシステムをデリカD:5にも設定。広い室内のどの位置に座っても最適な音質が楽しめるように、12スピーカー12ポジション・860W(MAX)のクラス最大級の出力を持つ11chハイパワーアンプを新開発。ハイクオリティなサウンドを実現すしている。

マルチアラウンドモニター
高いアイポイントによる視界の良さに加え、車両の前/後/側方を室内モニターに映し出して車両周辺の死角を解消。前/後/側面に設けられたマルチアラウンドモニターを専用の画像処理ICにより、車両前方(後方)と左側方を合成する世界初のマルチビュー画面を搭載。フロントグリル内のノーズビューカメラは、プリズムと広角レンズとの組み合わせで、車体前方直下の死角と、見通しの悪い交差点での左右の死角を、1台のカメラでカバーする。

DVD内蔵後席9インチワイド液晶ディスプレイ
後席の天井にDVD・CDの再生だけでなく、ゲーム機やビデオなど映像機器を走行中でも鑑賞できるDVD内蔵後席9インチワイド液晶ディスプレイをメーカーオプションで設定。前席から後席の、またはその逆の操作も可能となっている。また、赤外線ヘッドフォンがあり、前席ではCDを聴き、後席ではDVDの音声をヘッドフォンで気といった違う音源を楽しむことも可能。

デリカD:5
5代目のデリカとなる「デリカ D:5」は、“アクティブな生活を大事にする、あなたの元気を応援します。」というスローガンのもと、「ミニバンの優しさ」と「SUVの力強さ」の融合を開発テーマに、“デリカブランド”である「さまざまな走行環境下で、多くの乗員・荷物を安全に目的地まで運ぶ」といった特長を更に発展させ、走行性能、ボディ構造、室内環境に到るまで全てを新設計することで、「走りのクオリティ」や「安心・安全」を飛躍的に向上させた。