メルセデス・ベンツ SLクラス 海外試乗レポート(1/3)
- 筆者: 日下部 保雄
- カメラマン:メルセデス・ベンツ日本
メルセデスベンツSLクラス ベールを脱ぐその魅惑の存在感
メルセデス・ベンツSLのルーツは、54年に発表されて多くの人々を魅了したガルウィングのスポーツカー“300SL”に辿ることが出来る。その後アメリカからの強い要望で、57年のジュネーブショーで発表されたのが“300SLロードスター”だ。
今回のビッグマイナーチェンジの試乗会は、このロードスター誕生のきっかけとなった北米西海岸で行なわれた。ちなみにSLは、初代が鋼管スペースフレームを使って軽量化した結果、重量がとても軽かったことに因んだ“SUPER LIGHT”の略である。
マイナーチェンジの概要は、ヘッドライトを中心としたエクステリアの大幅な変更、そしてインテリアの変更と整理、エンジンのチューンアップ、サスペンションの再セットなどが挙げられる。まさに全てに渡って見直されたビッグチェンジだ。
SLのハイライトは、エンジンがパワーアップされた350にフォーカスされる。SLではと言うのは理由がある。ベースのSLのビッグチェンジに伴って、そのハイパフォーマンスバージョンであるAMGも大きな変更を受けたのだ。SL55はSL63になり、V12ツインターボのSL65も変更を受けた。特にSL63は自然吸気のV8/6.3Lとなり、新開発の7速クラッチ付きセミATが搭載されたことで、SL65との差別化が図られた。ビッグチェンジのコンセプトは“よりスポーツカーらしく”だ。
初代SLのテイストも垣間見せる、スポーティと力強さが融合したデザイン
デザイン面でもスポーティさがより強調されることになった。それは水平方向に広がりを持たせたバーと、Vシェープのフロントグリル、それにサイドに回りこんだ横長のヘッドライトなどに顕著に表れており、従来のSLから比較すると大幅に軽快感の増したデザインとなっている。まさにスポーツカーらしい仕上がりを見せている。
ボンネットには初代SLで特徴的だった、2本のパワーバルジとフロントフェンダーに空けられたエアアウトレットが、力強さを強調している。リアエンドもディフューザーが採用されており、台形のエキゾーストパイプとともに、幅の広さとフロントにマッチしたパファーマンスを連想させる。
AMGではさらに細部がモディファイされて『凄さ』が付け加えられており、直ぐにAMGとわかるオーラを発している。またカラーリングもAMGのみの設定や、内装のカーボン素材が選択可能など、AMGならではの変更がなされている。
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