メルセデス・ベンツ新型Sクラス試乗レポート、「絶対王者、それはSクラスであり続けること」(1/2)
- 筆者: 山田 弘樹
- カメラマン:茂呂 幸正
ビッグマイナーにより、見た目も存在感を強めた
今年の夏にビッグマイナーチェンジを果たし話題となったメルセデス・ベンツSクラスを、遂に試すことができた。その中でも今回は、抜群のショーファー性能を誇る「マイバッハS 560 4MATIC」と、そのベースとなる「S 560 4MATIC long」にじっくり乗ることができたので、これを中心にSクラス全体の印象をお伝えしたい。
その登場は2013年と、まだ4年強しか時間が経過していないW222型のSクラス。この間に30万台以上を売り上げ、高級サルーンセグメントの絶対王者として君臨し続けているのはご存じの通りである。
だからこのベストなSクラスをメルセデスがここにきて強力にテコ入れした理由は、実は「変わらないため」だとボクは感じた。流れの速い現代にあってそのトレンドを抑えつつも、これをまるっと飲み込んで、その上で「Sクラスであり続けること」が彼らの本懐。それくらいSクラスというのは、メルセデスそのものなのである。
たとえばその外観は、前期型に対してより力強い造形へとフェイスリフトされている。
最も特徴的なのは光ファイバーによる三本のアイライン。またこれと同調するかのようにグリルも、これまでの華麗な4本のホリゾンタルバーから3本の力強いツインルーバー式へと改められ、グレードごとの細かな処理こそ異なるが、そのバンパー開口部もより大きなエアインテークが備わった。
この堂々たる顔つきに対してリアもLEDのコンビネーションランプが微妙にそのアクセントを強め、バンパー下部のマフラーを結ぶトリムも太く強調された。
感心するのはこうした変更がダイナミックさを強めながらも、その品格を落としていないこと。これならもう「Eクラスと見分けが付かない!」とダダをこねるカスタマーにも納得してもらえるはずである。
インテリジェントドライブのアップデート、さらにスマホでの車両操作も
だが今回のマイナーチェンジでメルセデスがいち早くやりたかったのは、「インテリジェントドライブ」のアップデートだったはずだとボクは思う。
まずメルセデスはそのために、これまでレバー式だったディストロニックへのアクセスをステアリングスポークの左側に配置し、その操作をイージー化した。
機能面では、マルチパーパスカメラとレーダーセンサーが先行車や左右の車線を認識して車両を操作する「アクティブステアリングアシスト」を追加。車線や道路状況が不明瞭な場合でも、ガードレールなど周りの状況から道路を認識して、粘り強くそのアシストを継続できるようにしてきた。
さらに高速道路でウインカー点灯後に車線変更をアシストする「アクティブレーンチェンジアシスト」(約80km/h~180km/hで作動)や、ドライバーが居眠りや急な容態変化などで一定時間ステアリング操作を行わない場合に警告灯と警告音でこれを知らせ、なおかつ反応がない場合は警告音を鳴らしながら緩やかに減速してから車両を停止する「アクティブエマージェンシーストップアシスト」も加わった。これはSクラスの購入層を想定すると、納得の装備だと言える。
また既存の機能である自動再発進機能(停止後30秒以内であれば自動的に先行車を追従)や、渋滞時の緊急ブレーキ機能、歩行者や車両の不意な飛び出しを警告しブレーキをかける「アクティブブレーキアシスト」機能などをさらに機能強化した。
こうした機能のなかでも一番話題性があるのは、スマホで外から車両を操作できる「Mercedes me connect」の「リモートパーキングアシスト」だろう。
この機能はトヨタのように白線を認識するタイプでないため、ひとつ置きに空いたスペースでなければパーキングエリアを判定できないのだが、確かに狭い場所へSクラスの巨体を安全に納めてくれるのは便利だった。また出庫の際もスマホの画面をクルクルと回すことでドアが開くところまで車両を前進させることができる。まだ遠隔操作にぎこちなさはあるが、その新鮮さや優越感を楽しんでいるうちに、作動もこなれてくることだろう。
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