マツダが「ロードスターRF」を“ファストバック”にしたワケとは!?ピュアな本質はRFでも「不変」!(2/2)

  • 筆者: 山本 シンヤ
  • カメラマン:マツダ株式会社/山本シンヤ
マツダが「ロードスターRF」を“ファストバック”にしたワケとは!?ピュアな本質はRFでも「不変」!
マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016 マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016 マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016 マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016 マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016 マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016 マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016 マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016 マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016 マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016 マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016 画像ギャラリーはこちら

既成概念に捉われないルーフ収納にマツダ“らしさ”を感じる

マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016
マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016

このモデルのネーミングは「ロードスターRF」。RFの意味は「リトラクタブル・ファストバック」だ。

フロント周りは「ちょっと質感の上がったロードスター?」と言った雰囲気だったが、ターンテーブルが回るとビックリ。

ソフトトップ仕様とは異なるデザインで、ルーフからリアエンドまでなだらかに傾斜するルーフラインの「ファストバックスタイル」だ。

これを見て2代目(NB)後期に追加設定された、「ロードスター・クーペ」を思い出した。

マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016
マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016

実は、正直言うと「このデザインだとルーフは開かないのでは?」と思ったのが、車内のスイッチを押すと更にビックリ!!

ファストバック形状のリヤルーフが持ち上がり、フロントルーフとミドルルーフが二つに折れながら収納される。

「オープンカーだから屋根を全て収納しなければいけない」と言う既成概念に捉われていない部分などは、スカイアクティブの精神が垣間見える。

そう言う意味では、ポルシェ911のタルガトップと同じ仕組みに見えるが、オープン時はバックウィンドウも開くので、フルオープンに近い解放感も損なわれていないそうだ。

ちなみに世界最短レベルの開閉時間だけでなく、10km/h未満であれば走行中でも開閉操作が可能だ。ちなみにシステムは数々のオープンモデルを手掛けてきたドイツの「ベバスト製」を用いている。

オープンカーの“基本”に立ち返ることで生まれた「ファストバック」デザイン

マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016マツダ新型「ロードスターRF」/NYショー2016

ボディサイズはソフトトップモデルとほぼ同じで、全高のみ5mmだけ高くなっている。トランク容量もソフトトップモデルと全く変わらず130Lを確保していると言うから凄い。

デザインを担当したチーフデザイナーの中山雅さんは、

「ロードスターの三原則は、ショートホイールベース/ラゲッジスペース/ライトウェイトストラクチャです。これを一切損なわずにハードトップ化させるのは物凄いハードルがあり、6~8分割まで試みました。しかし、ある時『ルーフを収納することが目的ではなく、オープンの気持ち良さが大事』と言う基本に立ち返ると、『ルーフを全て収納しなくてもいいのでは?』と。そのしがらみが消えた時、フッと素直に生まれたのが“ファストバック”のデザインでした」と語る。

北米向けのパワートレインはスカイアクティブGの2リッター。これにトランスミッションは6速MT/6ATが選択可能だと言う。電動ルーフ化の重量増は最小限に留められており、ロードスターならではの軽快さは変わらないはず!?

サスペンションや電動パワーステアリングはRF専用セッティングに変更。

更にルーフの内側には吸音タイプのヘッドライナー、リアホイールハウスに遮音材を追加されており、ロードスターならではの「走る喜び」に加え、クーペとしての「快適性/静粛性」も引き上げられているそうだ。

ロードスターの開発責任者である山本修さんは、

「元々、開発のスタート時点で『2つのルーフを持つ』という企画がありました。RFを出すことの意味は『多くの人にオープンカーを楽しんでもらいたい』です。どちらが正解、どちらが正統ではなく、オープンカーの世界に広がりや深みを持たせることがロードスターの使命なのです。実はオープンカーと言いながらもルーフを閉めているシーンが圧倒的に多いです。だったら、オープンの美しいソフトトップと美しいクローズドがあってもいいと思いませんか?ただ、ロードスターのピュアであり本質的な部分はどちらも不変ですので、ご安心ください」と語ってくれた。

正統派ライトウェイトスポーツの魅力を研ぎ澄ませた「ソフトトップ」に対し、スポーツカーの美しさ、カッコ良さを素直に表現したもう一台のロードスター「RF」。もうソフトトップの代わりとは言わせない。

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

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