マツダが“ミニバン撤退”原因は「SKYACTIV(スカイアクティブ)」!?(2/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
走行性能重視の「スカイアクティブ」をミニバンにフル採用するのは困難
次は走行性能の面から、今のマツダ車とミニバンの関係を考えたい。
CX-5以降の「スカイアクティブ技術」で仕上げたマツダ車は、すべて統一された考え方に基づいて開発されている。
ハンドルやペダルの位置関係が自然で、操作に対して車両が忠実に反応。カーブを曲がる時は、少し前下がりの姿勢を保ちながら内側へ確実に回り込む味付けだ。車両がしっかりと曲がれば旋回軌跡を拡大させにくく、コースアウトの危険も減って運転が楽しく感じられるが、後輪の接地性を保つのが難しい。乗り心地との調和を図りながら、走行安定性の総合力を底上げせねばならない。
この点に几帳面にこだわるのが今のマツダだが、ビアンテのような全高が1800mmを超えるミニバンで実現するのは困難が伴う。
前述の「スカイアクティブ技術」をフル採用するマツダ車で最も背が高いのは全高が1705mmのCX-5で、このあたりが限界だろう。CX-5は全幅も1840mmとワイドだから、バランスが取れている面もある。
この2つのデザイン要素は、情緒的にはチーターのような野生動物が獲物を追いかける時の姿、車両の動きという観点では、加速時に後部に力が加わる姿をイメージしているが、いずれもミニバンとは相性が悪い。
ミニバンは外観でも車内の広さを表現するために、フロントピラーの付け根を前進させて、ボンネットを相対的に短く見せるのが常套手段だ。エスティマが典型だが、プレマシーやビアンテもボンネットが短く見える。
また背の高いミニバンでサイドウインドーの下端を後ろに向けて大きく持ち上げると、後輪が収まるリヤフェンダーが肥大化して、間延びした印象になってしまう。ホンダ N-BOXスラッシュの後部はまさにこの形状で「魂動デザイン」とは対称的だ。
仮に背の高いミニバンにこのデザインを当てはめると、機能的には後方視界が劣悪になってしまう。今のマツダ車のデザインも後方視界がかなり悪いから、ミニバンとなれば論外だ。
このように今までのミニバンの商品改良と販売台数、現在のマツダが進める走行性能と運転感覚、デザインまで含めて、客観的に見るとミニバンの後継車種はなさそうだ。
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