マツダ ビアンテ 試乗レポート(3/4)
- 筆者： 松下 宏
- カメラマン：小平寛
ミニバンだって、これからは走り重視の時代
トール系のミニバンは、重量が重くなるのが避けられない。ビアンテは3ナンバーボディで、トール系の中でも大きめなボディとなる分だけ重量が重く、1,600kg台に達している。なので、直噴仕様とはいえ2.0Lエンジンの111kW/190N・mというパワー＆トルクは必ずしも十分なものではない。
特に物足りなさを感じたのは中低速域のトルクで、発進からの加速やタイトなコーナーで速度を落とした後の立ち上がりなど、もう少し力強さが欲しい感じだ。2.0Lエンジンは最大トルクを発生する回転数が4,500回転と高めなことも影響しているだろう。
2.3Lエンジンは121kW/210N・mの実力があり、十分とはいえないまでもボディに見合った必要なレベルの動力性能を備えている。
電子制御5速ATとの組み合わせも良く、スムーズな走りが得られる。個人的には完全に2.3Lエンジンのほうが良いと思うが、価格や税金、燃費などを考えると、2.0L車のほうがたくさん売れるのは当然である。
足回りは最もマツダ車らしさを感じた部分だ。ほかのミニバンが車軸式のトーションバーを採用するのに対し、ビアンテはマルチリンク式のリヤサスペンションを採用している。これによる軽快なフットワークと操縦安定性の高さがいかにもマツダ車らしい。
多人数乗車を目的とするミニバンで、軽快な走りがどこまで必要かについては疑問の余地もあるが、たいていはひとりで乗っていることを考えたら、走りの良さがひとつ魅力になるのは間違いない。
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