レクサス LFA 試乗レポート(3/3)

レクサス LFA 試乗レポート
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あと1年でも早くデビューしていれば

レクサス LFA

このLFAは、同様の安心感を得られるFRレイアウトの持ち主である「SLS AMG」と、やはりどこか共通する走りのキャラクターの持ち主と感じられた。

スーパースポーツカーなのに”扱いやすい”のは、いかにもレクサスの作品らしい。

メルセデスやBMWなど多気筒エンジンを極めた先駆者たちが、今やこぞって”レス・シリンダー”化の動きをアピールし始めた現在、LFAのリリースタイミングは「余りに遅過ぎた」感は否めない。

「せめて彼らがそんな”キャンペーン”を張り始める前の、あと1年でも早くデビューしていれば、もう少し『旬』を味わう感覚が得られたはずなのに」という思いが拭えないのも事実だ。

しかし、端的に言って例えこうして10年という時間が掛かろうとも、日本から世界の最高峰カテゴリーを見据えた真のスーパースポーツカーが誕生したのは、やはり意義ある事だと思う。

かくなる上は、そんなLFAという超大作を生み出したレクサス、そしてトヨタには、今後の日本車文化の発展のためにそれをいかに役立てて行くかのシナリオをしっかり練り込んで欲しいと思う。

この種のモデルは、打ち上げ花火のように一瞬で散ってしまっては意味がないのだ。

その贅を尽くした技術を継承したモデルであるべきなのか、はたまた崇高なフィロソフィーを生き続けさせるモデルであるべきなのか現時点では定かではないが「あの時、LFAというクルマが現れたのは、こうした意味があったのか」と、これを契機として後世に語り継がれるモデルがレクサスというブランドに継続する事を、一人のスポーツカーファンとして願って止まない。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

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