ラグジュアリーなのに本格悪路走行もこなすレクサス最上級“四駆”「LX」試乗レポート(3/3)

ラグジュアリーなのに本格悪路走行もこなすレクサス最上級“四駆”「LX」試乗レポート
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大いなる矛盾こそがLXの魅力!?

ボディカラー:ソニックチタニウム/インテリアカラー・シートカラー:サンフレアブラウン/タイヤ&ホイール:275/50R21 110Hタイヤ&21×8 1/2Jアルミホイール(切削光輝)

フロントマスクは、スピンドルグリルの下側まで彫刻のように美しく仕上げられ、乗り降りの困難を助けるサイドステップにはLED照明が付く。アルミホイールは20インチの切削光輝タイプが標準装着され、試乗車にはオプションの21インチが備えられてひときわ輝いていた。

このようなクルマで、激しいデコボコのある岩場、泥道などを走る気分にはなれない。となれば前述の走行安定性の不満が際立ってしまう。

大いなる矛盾だが、逆説めいた表現をすれば、そこにレクサス『LX』の魅力がある。先に述べた舗装路用と悪路用の走行モードを5種類ずつ設けたことも同様だ。

話をもう少し膨らませると、今のSUV自体が矛盾の上に成り立つ。クルマを機能的にとらえれば、必要な室内高と最低地上高を確保できたなら、床と天井は低いほど良い。乗降性、低重心に基づく走行安定性が向上し、左右に振られにくいから乗り心地も良くなる。ボディは軽くなり、空気抵抗も減り、動力性能や燃費にも良い影響を与える。逆にいうと背を高くして得られるメリットはひとつもない。

それなのに今はSUVがひとつのスタイル、ファッションとして1人歩きを始めた。見晴らしが良い、外観がカッコイイ、といった本来の機能に逆行する付加価値で人気を高めている。

これは良し悪しではなく、クルマが持つ嗜好品としての特徴だ。そこを突いた代表車種がレクサス『LX』のように思える。

車両価格は1100万円。「ランドクルーザー」をベースに計算すると、排気量の拡大、各種メカニズムの充実、内外装の質感向上などを見積っても、少なくとも200万円は割高だ。これもまた偉大な矛盾のひとつだろうか。

ただしJC08モード燃費が6.5km/Lというのは、さすがにマズイだろう。アイドリング時の燃料浪費も相当だろうから、アイドリングストップは付けたいところだ。

『LX』はレクサス車の中でも特に高額とあって、1ヶ月の販売目標は50台と少ない。それなのに発売して約1か月後の2015年10月14日時点で、40ヶ月分の2000台を受注した。

正義の味方のプリウス、ヒールなLX

自動車評論家の渡辺陽一郎さん

となれば11月中旬時点では納期が超絶的に伸びているのか!? と思ってレクサス店に尋ねると「今は受注が落ち着いて納期は約6ヶ月」とのこと。発売当初は受注が伸びたものの、今後は少数だけ売られる個性的なクルマとなるのだろう。

2015年12月9日には、JC08モード燃費が40km/L(Eグレード)の新型トヨタ「プリウス」が登場する。「プリウス」は正義の味方のようなクルマだから、大いに話題になるだろう。だからこそ、数値上は6倍の燃料を喰うヒールなレクサス『LX』の存在感も、ひときわ大きくなると思う。

新型「プリウス」の発売に先立ってレクサス『LX』の販売を開始したトヨタ、けっこうシャレが利いていますね。

[レポート:渡辺陽一郎/Photo:和田清志]

LEXUS LX570 主要諸元

全長x全幅x全高:5065x1980x1910mm/ホイールベース:2850mm/車両重量:2720kg/乗車定員:8名/駆動方式:4輪駆動(フルタイム4WD)/エンジン種類:V型8気筒DOHCエンジン/総排気量:5662cc/最高出力:377ps(277kW)/5600rpm/最大トルク:54.5kgf-m(534N・m)/3200rpm/使用燃料:無鉛プレミアムガソリン/トランスミッション:8速Supre ECT(スーパーインテリジェント8速オートマチック)/燃料消費率:6.5km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:275/50R21

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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