レクサス CT200h 試乗レポート/松下宏(3/3)
- 筆者: 松下 宏
レクサス入門モデルだが、クラウンとオーバーラップする価格はやや高め
CT200hを象徴するスポーツグレードのFスポーツを選ぶと、フロントグリルやアルミホイールによって外観が差別化されるほか、専用にチューンされたサスペンションがよりしっかりした感じの走りを実現する。
ハイブリッド用のトランスミッションは基本的には無段変速だが、ステアリングコラムにはパドルが設けられていて、6速マニュアル車としての走りを楽しむこともできる。
スポーツモードでパドルを操作すれば、ギアが固定される仕組みだ。こうしたマニュアル操作をしたときも変速ショックは良く抑えられていて、とても滑らかな変速フィールを実現する。
これは加速感の物足りなさにつながる部分もあるのだが、実際にはメーターを見るとあっという間に速度が上がっているのが分かる。段差のある変速でなくても十分に速いのだ。乗り心地はちょっと硬め。
ベースグレードを除くとパフォーマンスダンパーが装備されていて振動の収束は速いのだが、路面によって硬めの乗り味を感じさせる。これは17インチタイヤの装着車で特に感じられ、16インチタイヤの装着車に乗ると多少は良くなるが、大きく改善されるほどではなかった。
CT200hはレクサスブランドの幅を広げるクルマであり、走行モードの選択など、新しい走りを提案するモデルだが、価格設定はいかにも高めの印象がある。
レクサス車の中では最も安いクルマになるのだが、その価格帯はマークXを超えてクラウンとオーバーラップするほどだし、ライバル車として想定されるA3や1シリーズなどと比べても同等か高いくらいだ。それどころか、3シリーズやCクラス、A4などとも重なる価格帯にある。
これはリモートタッチのカーナビなど、装備や仕様の充実度が高いことも影響しているが、レクサスとしてのブランド代がしっかり含まれていることも理由。すんなり選べないのが難しいところ。
なおレクサス CT200hを買うなら、イチ推しのグレードはバージョンCで、次いでFスポーツという感じ。本革シートが欲しい人はバージョンLだが、バージョンLは特に価格が高めになる。
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