ランドローバー ディスカバリー(2014年モデル)・イヴォーク(2014年モデル)試乗レポート/金子浩久(1/2)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:ジャガー・ランドローバー・ジャパン
乗り味には一層の熟成が進み、パワートレインも刷新
走り始めて最初に感じるのは、静かになったことだ。8速ATによってエンジンの回転が抑えられている。エンジン自体の排気音は硬質な感じで、精密な回転感覚を演出している。パワーの盛り上がりも整っていて、とても扱いやすい。
エアサスペンションの躾けと電子制御も確実に洗練が増してきていて、ゆったりとしていながらも無駄な動きは抑えられており快適だ。ステアリングも重くなく、渋くなく、しっとりと落ち着きながら滑らかに回る。道なき道も走れるオフロード4輪駆動車でありながらガサツなところがなく、高級サルーンに乗っているような、とても上等な乗り心地だ。
途中、特別に試乗コースとして設営された森の中も走ることができた。試乗車は副変速機を装着していて、ランドローバー各車のオフロード走行用デバイス「テレインレスポンス」で「雪、泥モード」と「岩・轍モード」をそれぞれ切り替えながら、水深60センチ以上の沼や粘土のようにまとわりつく泥の中を難なく走り抜けることができた。
沼では、ディスカバリーに初めて装着された「ウェイドセンサー」を試すことができた。ドアミラーに内蔵されたセンサーによって、水深を測りながら走ることができる。水深はセンターコンソールのモニター画面にディスカバリーの側面図とともに表示され、限界の70センチ(レンジローバーだと90センチ!)を超えそうになる場合は警告音とともにドライバーに危険を知らせる。川を渡る時や洪水などで水の中を走る時に有益なデバイスだ。
森から出る手前でタイヤと車体の泥を洗い流し、副変速機をハイレンジに戻して再び舗装路に出ると、重厚で滑らかな乗り心地に戻って再び豊かな気分にさせられる。
オフロード走破性能は相変わらず天下一品だし、オンロードでの走りっぷりには洗練が増している。難を言えば、車内のボタンやスイッチの数が2013年の標準からすると多く、操作系統を集約整理して頻度順に使えるようにするといい。
2014年モデルのディスカバリーは、マイナーチェンジと呼ぶには枠を踏み越えて大きく改められた。 乗り味には一層の熟成が進み、パワートレインも刷新されたので、“買い時”にあることは間違いないだろう。検討している人にはいいタイミングだ。
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