最新オービスは移動式でコンパクト、そして神出鬼没! クルマの性能が高まれば取り締まる側も進化していた
- 筆者: 近藤 暁史
- カメラマン:MOTA編集部
交通取り締まり、とくにスピード違反は深刻な問題だ。もちろんスピード違反をしないのは社会的には当然とはいえ、油断してしまうことがあるのも事実。
とくに通り慣れていない場所でのオービスは、ひやりとさせられたりもする。そうならないためにも、日々進化するオービスについて、正しい知識などを知っておくということは大切だ。今回は最新の移動式オービスとオービスに関するトピックをまとめた。
以前のオービスは場所さえ覚えてしまえば恐ろしいものではなかった
オービス、正式には「速度違反自動取締装置」というが、これは高速道路や幹線道路に設置されていて、レーダーや路面に埋め込まれたループコイルというセンサーで速度を測定。法定速度を超過した状態で通り抜けると、カメラで撮影されて、後日、違反地の管轄警察から呼び出しが来るというのが基本だ。夜でも赤外線を使用して撮影するので、意外なほどくっきりと写る。
ただ、基本的には設置されている場所の手前には「自動速度取締実施中」といった警告看板があるし、GPS機能を搭載したレーダー探知機を備えていれば、位置情報を元にオービス設置場所に近づくと警告を発してくれる。もっと言えば、場所を一旦覚えてしまえば、忘れない限りは問題ない。
移動式オービスが日本各地で急増中!
オービスの進化といえば、レーダー式の登場や記録方式がフィルムからデジタルでの転送式になるなどがあった。しかし、ここ最近になって、さらなる大きな進化を遂げている。
それが移動オービス(可搬式や小型オービスとも呼ばれる)の登場だ。
移動オービスというのは、以前もあって、速度違反の取り締まり、いわゆる“ネズミ取り”の機器をハイエースなどのワゴン車の後部に積んで高速道路の路肩などで狙っていたが、それとは別のもの。
今続々と配備が続いているのは文字通り移動できるオービスで、大型なものから小さなものまで種類は様々。なかでもコンパクトなタイプは、三脚に大ぶりのカメラを乗せたような形とサイズで、発見はかなり困難だったりする。
2016年から試験的に埼玉県警と岐阜県警で導入が始まり、その後、全国に拡大して、今では47都道府県に配備が完了している。そもそも、当初の配備目的はゾーン30(最高速度を時速30キロ以内に制限した特定の区域)などの生活道路での取り締まりとされていた。
しかし、現在は幹線道路や高速道路でも運用されていて、新型コロナで首都高のルーレット族が増えたときに対策として活躍したのも移動オービスで、首都高に大量出現と話題になった。また以前のように、車載して路肩に停止して狙っていることもある。また事前の警告看板もなかったりする。
神出鬼没ゆえ、GPS位置情報による警告ができないことが注意点で、レーザーを使用するのでレーダー波のように簡単に感知できない。最新の高性能レーダー探知機ではレーザーも探知できるものがあるが、最近になって探知できないレーザーの波長が採用されていることが話題になった。
まさにイタチごっこなのだが、今後は今までのようにすんなりと対応が可能になるかどうかは疑問のような気がする。
取り締まりの対象となる速度も低下している!
最後に一番の問題を紹介しておくと、移動オービスが登場してから取り締まり速度がドンドンと低下していることだ。オービスの場合、撮影して呼び出すといった手間がかかることから、光るのはいわゆる赤キップになる超過速度とされていた。つまり取り締まりコストに見合う速度のみで、具体的には一般道で時速30キロ超、高速道路で時速40キロ超となる。
それが移動オービスでは時速15キロ未満(点数1点、反則金9000円)でも取り締まられる例が急増中。もちろんそれ以上の速度でも同様で、税金が足りないからなのか、なりふり構わないといった感じだ。理由はどうであれ、狙われるのは我々だけに、最大の対策は「スピードを出さない」ということを肝に銘じて注意して運転したい。
【筆者:近藤 暁史】
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